水前寺清子が世田谷で被災地支援コンサートを実施
8月14日(日)世田谷区民会館にて、水前寺清子(65)が東日本大地震被災者を支援するコンサートを行った。世田谷区のローカルラジオ局「エフエム世田谷」で水前寺がパーソナリティを務める「チータの、ありがとう世田谷」を軸としたコンサートで、コンサートには、多彩なゲストたちが参加し、歌・トーク・コント・地域活性の4要素をミックスした3時間半の大ボリュームのイベントとなった。
アカペラグループのAJIは、世田谷区の子供たちと「ドラえもん」の歌を大合唱。さらに沢田研二の「勝手にしやがれ」をアカペラで歌って盛り上げた。
世田谷区在住のシンガー・ソングライター太田裕美(56)は、ピアノ弾き語りスタイルで「雨だれ」、アコースティックギターによる「木綿のハンカチーフ」など4曲を披露した。デビュー当時から全く変わっていない可憐な歌声は多くの観客を魅了していた。
水前寺清子と「ぼよよん行進曲」でデュエット(9月発売)した中西圭三(46)も参加した。中西は宝石のCMにも使われた「Woman」、古典的な名曲「アメイジング・グレイス」など4曲を歌い、「小学のときに聴いた水前寺清子さんの『三百六十五歩のマーチ』が僕の音楽のルーツでした」と語っていた。
司会は世田谷区在住のエド山口(63)。何かと弟のモト冬樹をネタにしたり、「お客さんはご年配の方ばかりなので、前立腺の問題があるので、これから10分間の休憩に入ります」といったやや自虐も入った毒舌トークでイベントを盛り上げた。このコンサートは防災がテーマでもあり、消防団による火災を想定した実演も披露されたが、ここでもエド山口は「実際、火事の現場だったら、もっとキビキビしないといけないよ」と毒舌で会場の笑いを誘っていた。
地域活性という側面も持つこのコンサート。他にも世田谷で生まれた「サザエさん」の大きなセットが登場し、国民的人気を誇る「サザエさん」の魅力を語り合った。また、被災地を応援するということで、福島の物産店も開かれ、加えて水前寺の故郷であり芸名の由来でもある熊本の物産店も開かれた。
途中、特別トークゲストとして映画監督の金子修介(56)が登壇した。金子監督は現在『青いソラ白い雲』(2011年冬全国順次ロードショー)という映画を制作中とのこと。これは東日本大震災について描いた青春映画になるという。観客が監督のことを知らない様子だったので、水前寺は「監督、これまでにたくさん映画を作ってるんですよね。皆さんに何を作ったか教えてあげてください」と金子監督自らに言わせていたが、金子監督が「『デスノート』という映画を作りました」と言うと、会場の空気は一変していた。
水前寺は、「階段から落ちたんですよ。7段も上から。恐ろしかった」と、2ヶ月前のライブ中の事故について言及していたが、この日は怪我の影響も感じられず、健在ぶりをアピールしていた。
コンサートの最後、着物に着替えて登場すると、客席の女性ファンから激しい歓声があがった。「いっぽんどっこの歌」、「大勝負」、「日本人だね演歌だね」と人気演歌ナンバーを続けて歌うと客席の熱気も一気にヒートアップした。「被災地の皆様方に一日も早く笑顔が戻りますように」と思いを込めて歌った「いつでも君は」では時折涙ぐんでいたが、その歌声は圧巻であった。(取材・澤田英繁)
2011/08/15 5:14