日本をもっと元気に。『仮面ライダー』も今年は派手に行くぜ

『劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル』

8月6日(土)丸の内TOEIで行われた『劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル』の初日舞台挨拶に行って来た。登壇者は渡部秀(19)、三浦涼介(24)、高田里穂(16)、岩永洋昭(31)、君嶋麻耶(23)、酒井美紀(33)、荻野可鈴(15)、柴崎貴行監督(33)の8人だ。

「今度の『仮面ライダー』には松平健が出る」と聞いて、「まさか『暴れん坊将軍』役として出るんじゃないよね?」なんて冗談言ってたら、本当にそうだったのでちょっと信じられなかったんだけど、これがこうやって作品として実際にできちゃったのだから驚く。あまりにもすごい企画だったので、思わず色々な友達に会話のネタとして話させてもらったけれども、話した人みんなが本当にびっくりしていた。どういう風に『仮面ライダー』と『暴れん坊将軍』が共演するのかの興味も尽きず、普段『仮面ライダー』に全く興味のない友人たちも色々とググったりしていた。前評判の口コミでも相当広がったのではないだろうか。

特撮物と時代劇。考えもしなかった奇跡の組み合わせが実現したわけだが、考えてみると特撮物も時代劇もストーリーのプロットは共通しており、相性は悪くないかと。時代劇は大人向け、特撮は子供向けというだけで、描くモチーフは違うけれども、正義が悪をやっつけて終わる起承転結パターンはほぼ同じである。

こういう企画が通ったのも東映だからではないかと思う。東映といえば特撮。東映といえば時代劇。特撮といえば東映。時代劇と言えば東映。もともと東映まんが祭りなどミックス映画が得意だった映画会社。この二つが一緒になったらたしかに面白そうだ。

松平健といえば、『マツケンサンバ』だが、なんと、この映画では仮面ライダー版の『マツケンサンバ』が主題歌になっているという。『暴れん坊将軍』のみならず、『マツケンサンバ』でもマツケンのお世話になるとは。すでにこの曲はオリコン18位の大ヒット中という。いや、驚きだ。

祭りは盛り上げなければならない。せっかくだから、もっと派手に行こうぜってことで、戦隊物からも35年分の歴代戦隊総出演の『ゴーカイジャー』が参加して豪華二本立てで送るこの至れり尽くせりの内容になった(松平健は仕方ないとしても『ゴーカイジャー』のキャストがこの日来なかったのが疑問だが)。キャッチコピーは「ヒーローが日本を元気にする!!」。ファミリー向け映画でも日本を明るく盛り上げていこうぜという活動屋の気概が感じられる。

舞台挨拶では、ファンの歓声がもう小さい子から大人まで何でもありという感じ。主役の渡部が「会場のみんなこんにちは!」と言えば大歓声。「ちびっ子のみんなこんにちは!」と言うと、ちびっ子たちも「こんにちは!」と返事。続いて「大人のみんなこんにちは!」と言うと、今度は大人たちが「こんにちは!」と野太い声で返事して、渡部は思わず「大人多いですね」と笑っていた。

これに負けじと三浦が立ち上がり、渡部が客層ごとに呼びかけたのに対して、三浦は客をブロックごとに分けて「上のみんな元気?」、「奥のみんな元気」と呼びかけ、最後には「マスコミの皆さん、ありがとうございます」と最前列の報道陣まで気遣って笑いを取っていた。

岩永は「昼間はちびっ子たちのヒーロー、そして夜は奥様たちのヒーロー」と挨拶。「巷じゃアカデミー賞間違いなしともっぱらな噂のこの映画、お楽しみください」とPRしていた。一方、君嶋もこれに倣って「昼はちびっ子たちのヒーロー、夜は奥様たちのヒーロー」と挨拶し、会場を沸かせた。

前述した主題歌のことに話題が及ぶと、興奮気味のファンから「歌って!」とリクエストがあり、渡部は「歌って?」と一瞬ためらいながらも、「じゃあみんなで歌おう!」とアカペラで歌いだして盛り上げた。客席からものりの良い手拍子が加わり、お祭り状態の初日はさらにヒートアップ。歌い終えると渡部は「みんなね、僕が歌ってる部分をバカにするんですよ」と照れ笑いしていた。

高田は本作の見どころを聞かれて、「着物のコスプレをしています」と返答した後、「あ、コスプレじゃないですね。着物を着ています。江戸時代にタイムスリップしたので、町の人に馴染むということで」と言い直した。どんな着物を着て出てくるのかは映画を見てのお楽しみだが、このえくぼだ。さぞかし着物も似合っていることだろう。

君嶋は見どころについて、「浮き出て来ますね」とズバリ。そう、この映画は今ハヤリの3D映画なのである。2D版も公開中で、君嶋は「さっき2Dの劇場なのに浮き出て来ますと言っちゃった」と失敗したことを明かして和ませつつ「こっちの映画館は3D上映ですから。浮き出っぷりがいいです」とPRしていた。

本作の悪役は女性の酒井美紀が射止めた。「私の子供は1歳4ヶ月、男の子なので、ヒーローもの『仮面ライダー』は必ず通る道です。『仮面ライダーオーズ』のちっちゃなお人形を渡したらすごく喜んでいたので、それぐらい子供達の気持ちを惹きつけるんですね。私は『仮面ライダー』に出演できただけでも幸せだなと。これがDVDになったら本当に私の宝物になります」と挨拶していた。

荻野は緊張していたというが、緊張が顔や声に全く出ないタイプ。その小悪魔風の衣装でマスコミカメラマンを釘付けにしていた。監督も「ベルちゃん(荻野)がいるときは元気がよくて、帰っちゃうと男性スタッフがみんな静かになっちゃって、そんな感じでした」と話していて、まさに現場のアイドルだった様子である。

劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル』は、『海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船』と二本立てで現在派手に公開中だ。(澤田英繁)

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2011/08/08 3:15

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