『ビート』俳優監督・奥田瑛二が高良健吾を起用した理由
6月25日(土)新宿K'sシネマにて、WOWOWで放送されたドラマ『ビート』の期間限定上映の初日舞台挨拶が行われ、監督・主演の奥田瑛二(61)と、その息子役を演じた高良健吾(23)が登壇した。
映画監督としてモントリオール世界映画祭のグランプリを受賞するなど、海外でもその腕を高く評価されている奥田。今回はテレビドラマの監督に挑戦したわけだが奥田は「絶対に劇場で映っても遜色のない映画を作ろうと思った」と当初から意欲たっぷりに仕事にあたっていたことを振り返った。
高良はこの1・2年間で最も映画出演作が多い俳優のひとりであり、映画業界に人気が集中しているためか「映画俳優」というイメージが強いが、奥田は高良を起用した理由について「高良くんをテレビに引っ張って来たのではなくて、自分が映画人だから映画で通用する役者に出てもらおうと思った」と話していた。
今年はNHKの連続テレビ小説『おひさま』に出て、お茶の間でも幅広い世代から注目を集めるようになった高良だが、この日は本当に忙しいスケジュールの中、奥田のために急きょ駆けつけてくれた。高良は奥田に尊敬の念を込めて挨拶し、「今僕はテレビドラマをやってますが、奥田さんの現場はテレビドラマというよりも本当に映画っぽい現場でした。ぴりっとしててすごい楽しい現場でした」と振り返った。
続いて、「奥田さんのことは役者として昔から見てますし、奥田さんが本番を回すタイミングがここしかないというところで『じゃ、本番行くか』といってくれるのがすごいなと思いました。役者と監督をずっとされてるなと。役者を見ててわかるのかなと思いました。背中で芝居しなければいけないときがあって、最初はテレビだからわかりやすいことをしなければいけないのかなと思ったけど、『余計なことはしないで気持ちだけ作っていればいいかな』と言ったら、奥田さんに『それが正解』と言われたことが嬉しかったです」とコメントしていた。
これを受けて、奥田は「違うギアいれてもらっても逆によくない。そういう意味では集中力がすごい俳優さんですから。気持ちができてる俳優さんに何か言う必要ない」と自分なりのこだわりを語っていた。
その一方で、奥田は高良を見て楽しそうに「朝ドラですよ! あれ面白いよね。三姉妹にはまっちゃってさ」と語りだし、「高良くん、ディレクターにいじめられてるんだって? 我が愛する高良くんをいじめる奴は許せない! 俺がNHKに行ってディレクターをいじめてやる!」と冗談を言って観客を笑わせる茶目っ気も見せた。高良は必死で「皆さん、冗談ですから。本気にしないでください!」と話していた。
『ビート』は、7月1日(金)まで新宿K'sシネマにて朝1回10:20から上映。9月9日(金)にDVDレンタル開始。9月21日(水)にDVD発売。
2011/06/26 5:11