中谷美紀。阪神から東北へ心を込めて『阪急電車』初日舞台挨拶

中谷美紀

4月29日(金・祝)、有楽町にて、『阪急電車 片道15分の奇跡』の初日舞台挨拶が行われ、中谷美紀(35)、戸田恵梨香(22)、宮本信子(66)、南果歩(47)、谷村美月(20)、有村架純(18)、芦田愛菜(6)、三宅喜重監督が登壇した。

『阪急電車』は、100万部突破のベストセラー小説を、中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子と個性あふれるキャストを揃えて映画化したもの。読んで字の如く、阪急電車が舞台となっており、西宮、宝塚、神戸の様々な駅をバックに、そこに集まる人々の人間模様を描いた群像劇である。キャストは主に兵庫県出身の役者ばかりが集められており、阪急電車を利用している兵庫県民にはたまらないご当地映画になっている。

この日の舞台挨拶だが、その印象について語るとしたら、(1)阪急電車、(2)戸田恵梨香のユーモア、(3)東日本大地震、この3点に話題を絞ることができるだろう。

(1)阪急電車
この映画のために阪急電鉄は全面協力しているため、舞台挨拶中登壇者はたびたび阪急電車を宣伝するように語っていたが、何しろ阪急電鉄のその協力の度合いは半端じゃない。映画のために臨時列車を走らせ、本物の車体を使って、実際の線路で撮影させたほどで、鉄道会社がここまで協力したのは前代未聞のことという。

筆者も一時期大阪に住んでいたので、映画の予告を見たときには、何か懐かしい嬉しさのようなものを感じたものである。筆者は神戸に通っていたが、当時一番印象に残っているものといえば阪急電車だった。あのえんじ色の車体や駅の雰囲気は独特で、一度乗ったら忘れられないもの。これほどスタイルを持った鉄道会社は他にないのではないかと思う。たまに大阪に遊びに行くと、阪急電車に乗ると妙に安心するもので、関西の人にとって阪急電車というのは非常に愛着のある乗り物なのだ。

(2)戸田恵梨香のユーモア
舞台挨拶中も至ってマイペースだった戸田は、どうコメントしても客席が笑い出す持ち前のユーモアセンスを発揮していた。今年の目標を訊かれて、スキューバダイビングと答えた戸田は、「去年スキューバダイビングを始めまして、ライセンスを二つ取ったんですね」と語り始め、中谷から「二つも持ってるの?」と訊かれて「一番最初の奴と次の奴です」と答え、客席を笑わせた。

また、「映画を文字に例えるなら何?」という質問には、戸田は「すいません、”骨”です」といって”骨”と書かれたフリップを掲げ、この珍回答にも観客は爆笑した。しかしその意味を「人間は骨が基盤になっています。この映画は人の原点なんです」と説明すると、客席も一転して感心した様子だった。

(3)東日本大地震
中谷はトーク中に被災者のことを思って声を詰まらせ、涙しながら「今、日本中が震災の動乱に瀕しています。暖かい思いが届けばと思います」と挨拶した。他の登壇者のトークの内容も震災に対しての発言が中心だった。

宮本は「西から北へ、この暖かい作品を届けたい」と挨拶し、谷村は「どうしても日々ストレスを感じる毎日ですが、この映画を見てちょっとでも明日から人に優しくしてみようかなというきっかけになればと思います」と呼びかけた。南は「ようやく東北新幹線も全線再開されて、やっぱり東北と私たちもどんどんつながって行くんだと思います。3・11以降、我々映画界の人間は何ができるんだろうと悶々としてたんですけど、ようやく、私たちにできること、一服の清涼剤、ひとときの安らぎ、そういうものでお手伝いできれば、この映画は本当に幸せだと思います」と語った。

人と人とのつながり、出会い、祈り、力、心配りを描いた本作。阪神大震災を経験している兵庫県民。今大変な状況にいる東北の人たち。スタッフ・キャストは、この映画が被災者の心に届き、優しさでつながることを願っている。(文・写真 澤田英繁)

戸田恵梨香、宮本信子

『阪急電車』初日舞台挨拶より

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2011/05/02 2:29

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