ACジャパンのCM大量放映の事情と企業の活動自粛による各界の影響

ACジャパン

民放でACジャパン(旧公共広告機構)のCMが大量に流れていることについて、同団体に視聴者から抗議が殺到している。この問題を受けて、同団体は公式サイト(トラフィックが混雑しているのか現在アクセスできない状況だ)に謝罪文を掲載し、「エーシー」というCMの最後に流れる音声を削除した。同団体は「音声を削除して耳障りは軽減されるかと存じます」と記している。

抗議内容の中には、「ACジャパンが空いたCM枠を買い占めているのではないか」という声もあったというが、同団体は「テレビ局側の判断によるもの」として理解を求めている。

ACジャパンは、社会をよりよくするためのCMを制作する非営利団体。同団体のCMは、CM枠に空きがあった場合、テレビ局がその空きを埋めるために無料で流している。今回同団体のCMが大量に流れているのは、多くのスポンサーがCMを自粛しているためである。

同団体のがん検診のCMについて、ネットでも「こんな状況で、がん検診どころじゃない」という声があがっているが、大量に流れていたCMは、すでにテレビ局に預けていた映像素材であり、必ずしも非常時に対応できるものとは言えなかったとして、同団体は「大変不快な思いをさせたことをお詫び申し上げる」と謝罪しており、震災に向けた文字と音楽だけのCMを急遽制作し、19日から放映を開始した。CMは徐々に差し替えていくという。


震災の影響で、イベントやコンサート、スポーツなど、様々な分野で自粛する動きが広がっている。


計画停電が実施される中、ゲーム業界では、スクウェア・エニックスはオンラインゲーム『ファイナルファンタジーXIV』のサービスを節電のために停止した。アイレムは倒壊した都市を描く『絶体絶命都市4 -Summer Memories-』の発売を中止し、ソニーは破壊的な内容を含む『モーターストーム3』を、セガは荒廃した歓楽街を描く『龍が如く OF THE END』を発売日直前になって急遽発売を延期とした。

映画業界では、シネマコンプレックスの多くが営業を自粛。配給会社が公開を中止・延期する動きも目立ち、ワーナー・ブラザースは『ヒア アフター』が震災を連想させるシーンがあるとして上映を急遽終了した。また、ソニーはディザスター映画『世界侵略:ロサンゼルス決戦』の公開を延期。福島原発の放射線漏れが心配される中、パラマウントは核兵器を描いた『カウントダウンZERO』の公開を延期。松竹は今月公開予定だった『唐山大地震』を「パニック映画ではないが被災者の救出シーンなど一部の描写がこの時節柄上映するには相応しくない」という理由で公開を延期した。公開日はいずれも未定である。


一方で、自粛とは反対に積極的に行動する動きもある。米歌手のシンディ・ローパーは日本ツアーをチャリティー・コンサートという形にして予定通りに開始した。「少しでも勇気を、少しでも元気を与えることができるなら」と語り、18日には自ら募金箱を持って募金を呼びかけている。


東日本大地震による被災者の方々へお見舞い申し上げると共に、被災地の一日も早い復興を心より願う。

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2011/03/20 22:24

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