本格派アクション映画『KG カラテガール』主演の武田梨奈に注目
2月5日(土)から横浜発のアクション映画『KG カラテガール』が公開中だ。空手大会のチャンピオンとなり、16歳のときに西冬彦プロデューサー(45)に見出され、『ハイキック・ガール!』で鮮烈の映画主演デビューを果たした武田梨奈(19)の主演第2弾である。
この映画、西プロデューサーの熱い熱意のこもったまさに入魂の力作になっている。「日本にはアクションスターがいないんですよ」と語る西。「アジアの映画で世界に行ってるのはアクションなんですよ。ブルース・リー、ジャッキー・チェン。香港や中国、タイにはアクションスターがいるのに日本にはいない。アクションスターを見出して育てることが私の必達目標だと思っています。スターが一人いたら、その人だけでも世界に行けますから。それは本当に心に決めているし、人材をこれからも増やしていきたいと思っています」と言うこともかなり熱い。
本作では、徹底して本物のアクションを作ることにこだわった。全カット、ワイヤーを使わない、CGも使わない。スタントも使わない。パンチもキックも実際に相手の体に当てている。出演者には社団法人日本空手協会師範の中達也(46)、同全国大会トップ選手のリチャード・ウィリアム・ヘセルトン(34)ら、本物の空手家を起用した。西は自ら脚本を書き、自らアクション監督としてメガホンも取った。西は『マッハ!』を日本で公開した張本人でもあるが、本作の撮影には『マッハ!』のプラッチャヤー・ピンゲーオ監督が武田梨奈のアクションを見学しにわざわざタイから来たほどで、かなり世界の注目度も高いという。
予告動画は50万アクセスを突破したとか。「1日に20万くらいアクセスがあってね。びっくりしました。世界に注目されているということでしょう。ベルリン映画祭のマーケットでもスクリーニング全編上映しますから」と早くも世界に向けて意欲的だ。
この日、初日舞台挨拶に立った武田は、「スタッフみんなで『KG』を作り上げてきましたが、今日からは皆さんが『KG』を作り上げていきます。よろしくお願いします」と笑顔で挨拶した。武田はまだ19歳の女の子。司会者の質問に「はい」とはきはき返事し、トークの内容は登壇者の中でも一番しっかりしていた。とても好感が良く、記者陣の間でも評判が良かったことを付け加えておく。
西プロデューサーは、武田を見出したとき、「お前の17歳の青春を俺にくれ」と言ったという。そしたら「はい」とつぶらな瞳で答えてくれて、毎日8時間の猛特訓に耐えたのだという。武田は撮影中に腕を骨折し、責任感も感じたというが、そうした過程を経て、真のアクションスターは誕生した。
空手歴10年のチャンピオンだが、小柄で笑った顔は愛らしく、性格はとてもお淑やか。むしろ男性からは守られたいタイプだ。「普段強い子だというイメージがつけられているので、守られたいです」と言ったとき、照れて顔を真っ赤にしていた武田の表情がなんとも初々しかった。武田に蹴られたいというファンが続出しているのもうなずけよう。
そんな武田は大のジャッキー・チェンのファンという。自ら映画の主題歌を歌ったところも、ジャッキー・チェンにあやかってのことだ。「世界へ行きたいというのが夢だったんですけど、今は夢じゃなくて目標です。今の私の夢はジャッキー・チェンさんに指名されるようになることです。香港へ来て俺と共演しろと言わるようになりたいです」と話し、カメラの前ではお茶目にファイティングポーズを取っていた。
舞台挨拶には、ほかに飛松陽菜(13)、木村好克監督(37)らも出席。『KG カラテガール』は、横浜ブルク13、新宿バルト9ほかにて現在ロードショー中。(文・澤田英繁)
2011/02/06 10:46