『ワラライフ!!』しずる村上純が俳優としての自分を自画自讃
1月29日(土)、キム兄こと木村祐一(47)が監督した心温まる作品『ワラライフ!!』が公開初日を迎え、木村祐一と、出演者の村上純(30)、吉川晃司(45)、鈴木杏樹(41)、田畑智子(30)、板尾創路(47)がシネマート新宿にて舞台挨拶を行った。
タイトルの『ワラライフ!!』とは、"What a Wonderful Life!!(なんと素晴らしきかな人生!!)"の略語。英語圏の人が小さな喜びに大きな幸せを感じたときに発する言葉である。お笑いから料理まで多才にこなし、『ニセ札』で映画監督の仕事をして「映画を作ることって、なんと素晴らしいんだ!」と感動した木村が自分の体験を映像化した温かくて優しい家族ドラマになっている。
主演はお笑いコンビしずるとして「キングオブコメディ」に二年連続決勝進出した村上純。これが映画初出演にして初主演となった村上は、早くも「透明感がある」と高評価をもらっており、この日は開口一番「俳優の村上です」と自信ありげに挨拶。「透明感があるってことでしょうね。”主人公は普遍的な、30代の、どこにいてもおかしくないごく普通の役だから、それを村上だったらできるんじゃないか”と監督に言われまして。芸人としてクセがないと言われたこともあるんですが、それもひとつの個性として、個性のないのが個性なのだと思いまして出演しました。その結果、透明感が出ました」と自画自讃していた。
相手役となるヒロインは香椎由宇(23)。この日は臨月で出席はできなかったが、木村監督は香椎から届いたメールを読み上げた。
「やったー、やっと公開だ! 一緒にお客さんの反応を感じられないのが残念です。取材で色んな質問をされ、少し疲れて、でも充実してて、初日の舞台挨拶で解放だ、だなんて思っていたのですが、それを感じられずもわわっとしてます。この作品の香椎由宇はいいですよね、だなんて言われたりしてちょっと調子に乗りたかったです。本日はおめでとうございます」
このメールから、初日というのは、映画人にとっていかに大きな意味をもっているのかがわかるだろう。ステージで大きな花束を木村監督に贈った板尾は「映画監督にとって初日って誕生日よりも嬉しいところがありまして、本当に今までの苦労が全部吹き飛ぶんですね」と話していた。
吉川晃司と鈴木杏樹はミュージックフェアに一緒に出たことはあったけれど、鈴木いわく、夫婦を演じることになるとは夢にも見なかったそうで、「照れくさいやら懐かしいやら」とのこと。この若さで実際は11歳年下の村上の母親役を演じているが、「映画は木村さんのお父さんとお母さんをイメージして作られている映画なんですね。とても木村さんのお母さまがチャーミングで可愛らしいお母さまがなんです。お父さんもユニークなお父さんですね。その辺を楽しんでいただけたらと思います」と話していた。木村監督はこの役者たちをキャスティングした理由について、「自分の親や兄弟に置き換えて見られるキャラ」だからということだった。
今後も映画の世界でどんどん活躍してくれそうな木村監督。板尾はこの監督に「本当に多才な男なので、これからも何でもやって欲しい」とエールを送っていたが、「ロケバスも運転するんちゃうんかなというくらい運転もうまいんですよ。タクシーの運転手ともしょっちゅうやりあってますからね。地図出してこっちが近いあっちが近いとかやってますから。本当に多才な男なので将来が楽しみです」と、褒め方もかなり独特で、客席からは笑いが巻き起こっていた。
『ワラライフ!!』は、ファントム・フィルム配給で、1月29日(土)からシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国ロードショー中。(文・澤田英繁)
2011/01/31 2:26