『キック・アス』のキュートなヒロイン、クロエ・グレース・モレッツが来日
10月18日(木)渋谷にて、『キック・アス』のクロエ・グレース・モレッツが来日、記者会見に出席した。クロエは子役からスタートし、今はまだ13才。しかし、ハリウッドでは続々と出演作が控えており、現在はあの巨匠マーティン・スコセッシが新作を製作中。次世代のミューズといわれている期待の子役が、わざわざ撮影の合間をぬって初来日を果たした。
一般人がコスプレしてスーパーヒーローを気取る映画『キック・アス』は、近年のアメコミ実写映画化ブームの中でも一線を画した作品である。倫理コードギリギリのコミックが原作であり、ヒロインの「ヒット・ガール」の小生意気ぶりに大手映画会社は映画化に難色を示し、「ヒット・ガール抜きでなら」という条件がつけられたが、反発した監督のマシュー・ボーンは独立資金で作り上げ、口コミの評判が認められて、ようやく配給会社がつくという込み入った事情のある映画である。そして問題の「ヒット・ガール」を演じている子が今ここで紹介しているクロエというわけ。
映画の中ではいかにも生意気な役を演じているクロエ(撮影当時11才)だが、本人はそのイメージとは裏腹に本当に天使のような笑顔の美少女という印象だった。13才だからどうかと思ったけどとんでもない。会見慣れしている感じで、会場に入ってきたときも満面の笑顔で挨拶。会見中も終始ニコニコ笑って質問に答えて、まるで大物スターの風格だった。会見中嬉しそうに「あそこに立っているオレンジ色のセーターの人が私のお兄ちゃんよ」と自分の兄を紹介したり、渋谷東急ホテルに来て「ニューヨークでいうタイムズスクウェアの真ん中に泊まっているようなものね」とワクワクするあたり、普通の少女ぽい初々しさもあった。写真撮影のときには足をクロスさせるなどよくわきまえていたし、会見が終わった後も記者たちの評判は上々で、みんな「かわいいね。あの子はきっと大スターになるね」と話していた。
ナタリー・ポートマン、クリスティーナ・リッチと同じ空気を感じさせるミューズと言えるが、本人もナタリー・ポートマンのファンといい、「ナタリーは私にとってアイドルなの。彼女も私と同じで小さい頃から映画に出ているし、『レオン』で演じた役にもヒット・ガールと共通点があると思うわ」と目標に掲げている様子だった。
ヒット・ガールを演じるにあたっては、タランティーノの『キル・ビル』を参考にしたとのこと。また、好きな映画は『Mr. & Mrs. スミス』で、アンジェリーナ・ジョリーの演技も参考にしたという。アンジェリーナ・ジョリーは『キック・アス』と同じ原作者が書いた『ウォンテッド』にも出演しているが、『ウォンテッド』でいうアンジェリーナにあたる役を今回クロエが演じている。7ヶ月に渡ってトレーニングをしたそうで、ほとんどのシーンをスタント無しで演じており、「実は両手でバタフライナイフを扱えるけど、劇中ではやらせてもらえなかったわ」というお茶目なコメントまで飛び出した。
「来年『ロミオとジュリエット』のジュリエットと同い年の14才になるから、来年はジュリエットを演じてみたいわ。それから『風と共に去りぬ』が大好きだから、スカーレット・オハラもいつか演じて見たいわ」と抱く夢もまさに大物級だった。
『キック・アス』は、カルチュア・パブリッシャーズの配給で、12月18日より、シネセゾン渋谷ほか全国順次公開。(文・澤田英繁)
2010/11/01 4:00