日本の歴史を変えた大事件を描いた大作時代劇『桜田門外ノ変』公開

大沢たかお

長谷川京子

10月16日(土)有楽町にて、『桜田門外ノ変』の初日舞台挨拶が行われ、大沢たかお(42)、長谷川京子(32)、加藤清史郎(9)、渡辺裕之(54)、生瀬勝久(50)、中村ゆり(28)、伊武雅刀(61)、北大路欣也(67)、佐藤純彌監督(77)、そして、主題歌を歌うalan(23)が登壇した。

今年は映画会社がこぞって時代劇を製作。時代劇が目立つ1年になっているが、『桜田門外ノ変』は今年の大作のひとつで、大沢は「大きなものと向かうきっかけになった。俳優人生で忘れられない作品になった」と感無量の様子。北大路はこれを「たった150年前の出来事」と紹介していたが、時代劇は時代劇でも、明治維新の8年前。現代史に近く、日本の現代を作った大事件として描かれる。今年は奇しくも戸籍上150歳過ぎても生きている人が全国で続々と見つかった年でもあり、明治維新前の日本が割と身近な時代に思えてきた年である。『桜田門外ノ変』は、たった150年前にこんなことが起きていたのかという関心、時代を読む作品として、じっくりと鑑賞したい一本だ。

赤い口紅が魅力的だった長谷川は「家を守る当時の女性の使命を果たしたつもり」と自分の演技について語っていたが、たった150年前の女性と現代の女性の違いなども見ていて興味深いだろう。

いつもこうした舞台挨拶では冗談を言って会場を沸かせる生瀬は「パンフレットを買ってください」と笑いを誘っていたが、その後も神妙な面持ちで「パンフレットには本当にいいことが書かれているので」と本気で薦めていた。その言葉に偽りはなく、このパンフレットは、美麗な写真の数々はもちろん、ページ数も多く、読み物としてもしっかり作り込まれている。映画の解説からストーリー、人物相関、インタビュー、メイキングとこと細かに年表と図解付きで示されてあり、より深く当時の歴史観に没入できる手助けの書となるであろう。半透明のトレーシングペーパーにプリントされた現代の桜田門周辺の地図と、150年前の桜田門周辺の本物の地図を重ねて見られるようになっているところには感嘆せずにはいられない。

主題歌はalanが歌う。『必死剣 鳥刺し』に引き続き日本の時代劇を彼女の歌声が彩る。alanは中国出身のアーティストであり、ツイッターでは「片言の日本語が可愛い」と評判だが、この日もalanは「みなさん、こんばんは。あ、こんばんはじゃなかた。こんにちはでした。ちょっと緊張ですけれど。今回の曲は愛する人をいつまでも支え、待ち続けるのそいう女性の気持ちを歌ってます。ちょっと切ないんですけど、昔も今の時代もそいう純愛は素敵だと思う」と可愛らしい片言の日本語で挨拶し、客席を和ませてくれた。

事件当時、大雪が降っていたということで、この日も同じように劇場内にイミテーションの雪が降った。東映配給で上映中。(文・写真:澤田英繁)

舞台挨拶の様子

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2010/10/18 4:28

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