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アップルのiPadを使ってみた

iPadで小説を読む

iPadで雑誌を読む

上写真はiPadで小説を読んでいるところ(i文庫HDより引用)。下写真はiPadで雑誌を読んでいるところ(ファミ通Appより引用)。

日本でも発売前から話題になっていたiPad(アイパッド)。ようやく筆写も手にすることができた。他国の事情については知らないが、日本では発売日から売り切れ店が続出。製造が追いつかず、公式サイトで購入していた筆者も予約から受け取るまでに18日間も待たされた。しかし待っただけのことはあった。アップルはこれを「夢のマシン」と宣伝していたが、それは決して大げさな宣伝文句ではなかった。これ一台で自分が仕事をする上で必要なことはなんでもできる上、ひとつひとつの機能の精度の高さがそれまでの自分の中にある基準値を大きく上回っていることに感動した。まさにこれは自分が待ち望んでいた「夢のマシン」だと思った。さすがはスティーヴ・ジョブズ!

筆者が以前から懸念していたのは、思い通りさくさく動くか? 使っていると本体が熱くならないか? バッテリーは長持ちするか? タッチパネルの反応は悪くないか? などだが、iPadはいずれの問題も難なくクリアしていた。画面のスクロールはまったく淀みなし。タッチパネルも高感度で、例えば写真を拡大してみる場合、2本の指で写真を広げればまさに直感的に一瞬で拡大できる。マウスで操作することがどれだけ面倒なことか思い知らされた。バッテリーについても、筆者が10時間ぶっとおしで使ったときもまだバッテリー残量が30%と表示されていたから、毎日の充電を心がければ、外出先でバッテリー切れに泣くようなことはまずないだろう(とはいえ、内臓電池の寿命がどのくらいかは今のところ未知数だが)。温度については、アプリを次々と起動していたら少し本体が熱くなるのを感じたが、普通に利用する上では本体が熱くなったと感じたことはない。試しに10時間ぶっとおしで使ってみても本体は全く熱くならなかった。冷却ファンらしき音も皆無だ。

最も驚いたのは画面のきめの細やかさと豊かな色彩である。iPadの解像度は一般的なパソコンのモニタサイズ1024×768をカバーしており、作業スペースとしては申し分なし。DVDの解像度よりも大きい画面なので、映像を見る分にも不自由はしない。ゲームの画質もパソコンゲーム並のクオリティである。筆者は取材などで写真を撮ることが多いが、自分の撮った写真をiPadでチェックすることにしてから作業効率が格段にあがった。iPadをデジタルフォトフレームとして使う人もいると思うが(なんというぜいたく!)、他社製のデジタルフォトフレームと比べてみても、表現性、美しさ、使い勝手の良さ、コストパフォーマンス、どこを取ってもiPadの圧勝ではないかと思う。

薄くスタイリッシュなボディはさすがにセンス抜群のアップル。すっかり愛着もわいて、ついiPadをなでなでしたくなる。まるでアップルの回し者みたいになったが、公平を期すために、一応マイナス面についても触れておく。巷でも言われていることだが、やはり日本語能力には少し難がある。昔から「MacはATOKを入れてから」という言葉があるくらいで、今iPadに必要とされるのは"ATOK for iPad"ではないかと断言する(メディアがこう書けばジャストシステムも動いてくれるかなと少し期待。iPhone版のATOKは現在開発中とのこと)。人名についてはすでにiPad標準IMEの辞書にある程度登録されているようで、「高良健吾」、「福田沙紀」など若手俳優の名前も一発目に出てくるのはなかなか便利であり、最古参の「ことえり」に比べるとかなり進化しているといえる。過去系の日本語の漢字変換などはイマイチで、例えば「写真を撮った」と入力する場合、現段階では「撮った」では変換できないので「撮る」と入力して「る」を削除して「った」と入力しなければならずまどろっこしい。同様に「撮りたい」でも変換できず、漢字の候補数が寂しい。まだ初期バージョンからアップロードが公開されていないので、次のバージョンアップではこの問題が改善されていることを祈りたい。

ソフトウェアキーボードについては、ホームポジションの場所が手ざわりではわからないため目視する必要がある。キーを「押す」のではなく、少しでもキーに「触れる」と文字が入力されるため、指をキーに置いて休めることができないから物理的なキーボードに比べると肩が凝りやすいのが難点だが、最初こそ打ち間違いの連続だったものの筆者は意外と1・2時間で慣れた。最初は猛烈にBluetoothキーボードが欲しかったのだが、今はソフトウェアキーボードで十分だと思っている。これならば喫茶店などで隣の人にキーボードを叩く音で迷惑をかけなくてすむ。実はこの記事もすべてiPadのソフトウェアキーボードでタイプしたものだ。なお、筆者はもともとローマ字打ちだから問題はなかったが、現時点ではiPadはかな打ちができないので、かな打ち派の人はその点は要注意だ。

iPadは明るい場所で使えないという欠点もある。バックライト式のため、屋外など光の強い場所では画面が見えなくなる。室内で使う分にはほとんどストレスはないが、iPadを寝かせて使うとき、天井のライトが反射して画面が見づらくなることもある。

何もかもハードディスクのデータばかりに頼っていると、万一データを失ったときのダメージが大きいことも忘れてはならない。そこは長年紙に親しんでいた人にとってはどうしても踏ん切りのつかない不安要素になる。ちなみに筆者はドジをしてiPadの内容をMacに同期させるところで間違ってMacの内容をiPadに同期してしまい、「カレンダー」の内容を全部消してしまったことがあった。また同じ過ちを繰り返さないためにも、バックアップは心がけたい。

完全無欠とまではいかなくとも、今後のアップグレードやアクセサリの開発で少しずつでも改善されていくはずなので、この点は長い目で見守りたい。今後は軽量化も課題になるだろう。一冊の文庫と比べると本を読むにしてはちょっと重ため。しかし、ハードカバーの新書に比べれば大差なし。「本棚を持ち歩いている」と思えば格段に軽くなる。スペースもエネルギーもかなりの節約だ。iTunesの爆発的人気から、あえてCDを買わなくても音楽が楽しめるようになったが、今度は本や雑誌を買わなくとも電子書籍が楽しめる時代が来た。いくら読んでも全然かさばらない。これは革命的である。電車内などでは、iPadを横にして読めば、普通に文庫本を読んでいるような感覚で読める。文字のフォントと大きさ背景色も自由自在。辞書ソフトとも連携しており、本を読んでいる途中でもわからない言葉はすぐに調べられる。こうなるとわざわざ書籍を買う意味がなくなってくる。iPadでは産経新聞や各種雑誌なども読むことができるが、拡大ができるので、普通に雑誌や新聞を読むよりも可視性にすぐれている気がした。

電車内でもカバンから取り出してすぐに使えるiPadは、iPhoneとMacBookのそれぞれの利点を生かしたマシンだと思われている。いや、しかし見方を変えれば、単に外出先で文書作成などをする目的であれば、iPadよりもMacBookを買った方がいい。最近のMacBookはバッテリーも長持ちするし、あきらかにMacBookの方が万能ではある(ファミレスでiPadを使っていたとき、隣に座っていた人がMacBook Airを使っているのを見て何か劣等感のようなものを感じたのも事実だ)。ネットにつなぐ手軽さもiPhoneの方が上だし、コンパクトさと便利さを求めるならiPhoneを買った方がいい(iPhoneはiOS4にアップデートすればBluetoothキーボードも使える)。そうなるとiPadは、iPhoneとMacBook、どちらにも届かない中途半端なマシンということになる。いや、それでもiPadはすこぶる面白い。iPadはネットブックでも電子書籍リーダーでも電子手帳でも携帯ゲーム機でもないがいずれの機能も有している。今の時点ではこれを何という道具と位置づけるべきかわからない。iPadは"iPad"というまったく新しいジャンルの製品である。いろいろなものをタッチして動かしているだけで、なんだかSF映画の未来の道具を見ているような、何かとてつもない可能性を感じる。単に大型化したiPhone、あるいは小型化したMacBookではないことは実際に使ってみたらすぐにわかることだ。「カレンダー」や「写真」など、アプリによってはiPhoneやMacBookを使うよりも便利になっているものもある。

筆者は初代iPodから使ってきている長年のアップルファン。思い返せば、初代iPodは機能も限られていて、画面もモノクロ、容量も少なかった。今ではフルカラー、大容量、用途も多種多様で、短い間にずいぶんと技術は進歩したものだ。来年か再来年あたり、さらに薄く、さらに軽く、さらに大容量で、さらに処理速度が速く、さらに高解像度で、さらに安いiPadも出てくるだろう。こういうガジェットはズバリ買いたいと思ったそのときが買いどき。少なくとも筆者はiPadを買ってから仕事の効率があがったので元は取り返した。あとは手帳を持ち歩かなくなったので鞄の中もすっきりしたかな。iPadは今一番安いモデルで48800円。アップルストア、ソフトバンクショップなどで買うことができる。(文・澤田英繁)

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2010/06/27 13:10

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