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日本人俳優のスタイルを確立『HEROES』マシ・オカ

マシ・オカ

6月23日(水)、渋谷C.C.Lemonホールにて、テレビドラマ『HEROESファイナルシーズン』のジャパンプレミアが行われ、出演者のマシ・オカ(35)と応援ゲストの天野ひろゆき(40)、SKE48が登壇した。

映画情報サイト「シネマガ」では、4年前の第1シーズンから『HEROES』を他のどのドラマよりも大きく特集してきた経緯があり、愛着もあったので、今季でファイナルとなると、なんだか寂しくもある。思えば、筆者が海外ドラマにのめりこむきっかけになったのも『HEROES』を見たことが最初だった。映画館で上映する作品でもないのに、1話1話のスケールがあまりにも壮大で、1話1話が映画1本分のクオリティで作られていることにぶったまげた。しかもそれを毎週欠かさずまったく同じ長さのドラマをコンスタントに作っているのだから。日本のドラマが悪いというわけじゃないけど、アメリカのテレビドラマのレベルの高さにはただただ圧倒させられた。

『HEROES』の面白いところは、登場人物の多彩さ。主役級の人物が多数いて、群像劇のように複雑に絡み合う。舞台となる場所もアメリカ、インド、日本など幅広い。登場人物の多くは特殊な力を持っており、空を飛べたり、時間を止めたり、相手の心が読めたりする。彼らはコミックに出てくるようなカラフルなスーパーヒーローではなく、ごく普通の人間であり、普通に生活をしている。なんでもありの世界でストーリーが破綻することなく一本の壮大なドラマを形成しているところがすごい。SFでありながらも、世界観はかなりリアルに作られており、ヒーローものらしからぬ重厚なシリアスドラマになっているところが人気を集めた理由ではないかと思う。

話をジャパンプレミアに戻そう。マシ・オカの登場はやっぱり嬉しい。おそらくこのドラマのファンの多くはマシ・オカ演じるオタク・サラリーマン、ヒロのファンだろうから。ヒロの時空間制御能力は誰もが最も羨む能力に違いない。血が多いこのシリアスドラマの中で、ヒロとアンドウの日本人コンビだけがコミカルなタッチで描かれており、二人の登場シーンになると雰囲気が和んでホッとさせる。マシ・オカがいなければこのドラマはここまで成功することはなかっただろう。

マシ・オカはシークレットゲストだったが、意外とあっさり登場。しかも舞台に立つなり最初にやったのがキャイ〜ン・ポーズ。ハリウッドの大物ゲストなのになぜだか妙に親近感があった。

マシ・オカは自ら日本語のセリフを書くことで、アメリカにおける日本人俳優のスタイルを確立したと言われている。「大ピンチ!」なんてセリフも普通日本映画を見ていてもなかなか聞けるものではないし、普通の日本映画ならセリフとして成立しそうにない生粋の今時の日本語で喋っていたのが印象的だった。

マシ・オカは「プロの人が書くセリフはやっぱり硬いですよ。こういうのは日本人が普段使う言葉でないといけないと思って僕が書きました。ヤッターのセリフも最初はボンサイだったんですよ。ボンサイって小さい木じゃねえかって(会場笑)。バンザイのつもりだったんだと思うけど、バンザイだと戦争の人みたいだし、ヤッターがいいんじゃないかと思いました」と振り返った。ガッツポーズをしおてヤッターと叫ぶマシ・オカの演技を真似するニューヨーカーたちの姿が第1シーズン放送当時よくニュースなどで報道されたものである。

ジャパンプレミアにはSKE48もゲストとして登場。マシ・オカに花束を手渡した。KII組キャプテンの高柳明男(18)はマシ・オカに「私たちも世界進出したいです。マシ・オカさんから秘訣を教えて欲しいです」と猛烈アピールしていたが、可愛い娘たちを前にしてもマシ・オカは至って冷静に「日本の女性は世界に誇れるものを持っているから諦めないでください。あとは向こうでは英語が大事なので、英語が話せるように勉強してください」とアドバイスしていた。

このファイナル・シーズンでは、ヒロが死ぬかもしれないということで、注目が集まっているが、それは見てのお楽しみということで。マシ・オカは「シーズン1は完璧といえる出来だったけど、ファイナルはそれに匹敵する出来。僕の大好きなシーズンです」とPRしていた。

映画ファンとしては、マルコム・マクダウェルの登場はうれしいものだったが、ファイナルにはルイーズ・フレッチャーのゲスト出演もアナウンスされており期待が高まる。

『HEROES ファイナル・シーズン』は、7月20日22:00より、海外ドラマ専門チャンネル スーパー!ドラマTVにて独占日本初放送開始。(文・澤田英繁)

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2010/06/28 3:13

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