相武紗季主演『NECK』は底抜けに元気なホラー映画
5月27日(木)、新橋にて、『NECK ネック』の完成披露試写会が行われ、相武紗季(24)、溝端淳平(20)、白川士(たけし)監督(46)が舞台挨拶を行った。
奇妙な箱に閉じ込められて首だけひょこっと出してステージに登場した溝端。その見た目の画のおかしさから、いかにも興味を引く作品だが、『NECK ネック』は三島由紀夫賞受賞作家・舞城王太郎の原作を『ハンサム☆スーツ』のチームが映画化した"ホラー"映画。しかしホラー映画ならではの気色の悪さよりも、登場人物たちの底抜けの元気良さに胸がキュンとなる作品だ。
実はこの箱、お化け製造マシンなのだ。劇中、相武はお化けを作ることを長年研究中の大学生として登場する。この年頃で、恋愛よりもお化けが大事というちょっと変わり者の役で、年下の男の子、溝端をお化け研究の実験に使うことからストーリーは展開していく。
相武は「私は普段関西弁で話すんですけど、映画の中では福井弁を話していて、二か国語を操っているみたいでした」とコメント。普段は大人しいのに、元気の良い役だったので、必要以上に元気を出して演技していたら監督から「おまえは落ち着きがない」と言われたそうだ。
溝端は「小学生に戻ったみたいでキャッキャキャッキャ撮影できました。僕が一番年下で甘えっぱなしで楽しかったです」と挨拶。「人に喜ばれるのが好きで、撮影中はみんなにラーメンを作ったり、コンビニで買って来たものをストーブで焼いてみんなに配ったりしてました」と話すと、相武も「修学旅行みたいだった」と一言。溝端は舞台挨拶中も時々ファンの方に手を振ったり、アイコンタクトでファンの呼びかけに応えていた。溝端と同じくJUNONスーパーボーイコンテストを制した平岡祐太先輩との恋のライバル関係?は劇中のお楽しみのひとつである。
本作には栗山千明が特別出演しているが、相武は栗山に対してクールビューティーなイメージを抱いていたため、実際に一緒に仕事をしたとき「ふにゃっとしたすごく可愛い人で、守ってあげなきゃと思った。そのギャップに胸キュンしました」と話していた。
相武はこの映画を「ジェットコースターのようなものに乗ってアトラクションを楽しむような気持ちで体感していただけたらと思います」とPR。そう、これはまさにアトラクションのような映画で、お化け屋敷に入るような感覚で見てもらうと面白い内容である。普通のホラーと違ってコメディの中にホラーが同居している感じだが、これがなぜだか普通のホラーよりもよっぽどおっかない。溝端は「笑いと恐怖は表裏一体その中間を行っているのがこの映画」と語っていたが、その言葉に偽りはなく、鈴木一真が出て来るシーンは思わず背筋がぞぞぞっと凍りつくほどおっかない映像で見ものである。ある意味、ノスタルジーの映画でもあり、誰しも子供の頃にお化けが怖かったことを思い出すに違いない。
また、忘れてならないのは主題歌。MAGIC PARTYの『今夜はMAGIC BOX』が使われているが、重低音のベースラインがやたらとイカした曲で、ガンガンにウーマンパワーが溢れる感じ。はちゃめちゃにハジけたこの映画の内容にもぴったりである。
『NECK ネック』はアスミック・エースの配給で8月21日シネマサンシャイン池袋、新宿バルト9他全国ロードショー。(文・澤田英繁)
2010/05/31 0:56