いよいよ完結『のだめカンタービレ』上野樹里ら豪華キャストが集結
4月17日(土)、いよいよ『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』が公開される。2006年、人気漫画のドラマ化から始まり、日本にクラシック・ブームを巻き起こしたシリーズが、ついに完結する。
先日4月6日(火)には、六本木ヒルズにて、『のだめカンタービレ』のファンミーティングが盛大に行われた。4年間ずっと共演してきた仲間たち、スペシャルから参加した出演者も含め、上野樹里(23)、玉木宏(30)、瑛太(27)、水川あさみ(26)、小出恵介(26)、ウエンツ瑛士(24)、ベッキー(26)、山田優(25)、福士誠治(26)、吉瀬美智子(35)、竹中直人(54)ら、豪華キャスト陣、監督たち、総勢13名がこの日のために集結。1200人のファンの前で歓声に応えた。
思えば、この4年間で、出演者たちは大きく成長した。放送開始当時はまだ若手系であったが、今や出演者は皆トップスターになっている。熱心な原作ファンがいうには、ドラマのいいところは、出演者たちが漫画から飛び出してきたようにそっくりだということだ。とくに上野樹里は喋り方も性格も、のだめそのものだという。そしてドラマのいいところは、漫画では聴けなかったベートーベンなどのクラシック音楽がドラマではそこに流れていること。ある熱心なファンは音楽こそが主役だと語っている。このドラマを見て初めてクラシックに興味を持ったというファンも多い。
4年間ずっと『のだめ』を見てきたファンにとっては、「ついに終わりか」と思うと、なんだかちょっと寂しいものがある。しかし、最後だからこそ、これだけの豪華キャストがこうして一同に集まることができたわけだ。イベントには出演者のほぼ全員が出席して、ファン1200人一斉にクラッカーで祝福。13名が一列に並んで立っている様はまさに壮観であった。
続いてTOHOシネマズ内で完成披露試写会が行われた。このチケットを手にしたファンは、最初にこの映画目撃する幸福を掴むことになった。実は出演者もまだ完成作品を見ておらず、瑛太も「ここにいるみんなが羨ましい」と言ったほど。ベッキーも「タダ券ももらってないんですよ。だから私たちは自腹で見なければいけません」と不満顔だった。しかし、そうなるとファンには余計にありがたい。
舞台挨拶は、一人3分ずつ順に挨拶するリレー方式で行われた。
上野は「どのシーンもどのカットも頭の中に焼き付くくらいのパワーがあります。最後の最後ということで一生懸命がんばりました。最初から展開が早いので打ち上げ花火がドンドンドンドンと続くような迫力になっていると思います」とコメント。司会から印象に残ったシーンについて聞かれると「あー!もう全部でしょう!! あの、清良と峰くんのラブもすごく素敵だし、真澄ちゃんと、あ、全部喋っちゃう!全部喋っちゃう!ダメだ!自分にストップかけなきゃ!」と上野節が炸裂。「のだめが家でピアノを弾いて、ミルヒーが聴いているところがあるじゃないですか。あそこが一番ズドーンとくるところで、もしかしたら女性が見て一番ぐーっとくるところかもしれないなと思っています」といくつも擬音をおりまぜて見どころを語っていた。
玉木は「最後なので、すごくドキドキしています。すごく見応えのある一番いいものができあがったのじゃないかと思います」と挨拶。「しっとりと重く伝わっていくのが後編の魅力だと思います。本当に豪華キャスト、スタッフで、最高のものができました」と落ち着いた表情で語った。
上野とは共演作が多い瑛太は、なぜかぼそぼそと「みんなと撮影が終わった後に食事に行ったことが今まであまり無かったので、あと僕はドラマのときに打ち上げにいけなかったので、みんなでご飯食べたときが一番楽しかったです。え? お葬式みたい?」と元気なさげ。その元気のなさに会場はむしろ爆笑。司会からも「木10のドラマと混同してるようですね」と絶妙なフォローを受けていた。
「クラシックの部分が一番の見どころ」と語る水川は、「私も難しいラフマニノフのバイオリン協奏曲をあえて選びました」と自信ありげに話していたが、玉木から「ブラームスでしょ?」とつっこまれ、「やだー!間違っちゃった!」と照れ笑いしていた。
小出は、「最初から参加させていただいて長い4年間でした。すごくいい形で終われたんじゃないかなと思う。悔いはないです。特殊な役で、本当にこういう役があまりないので、お話をいただいたときはすごく嬉しかったです。自分でも変わったし、いや、何も変わってないかな。・・・いや、変わったな! 素敵な役でした!」と自分で自分に納得。客席から「千秋さま」のセリフのリクエストコールがあがったが、「映画の中で言ってますから」とうまくかわしていた。
ウエンツの出番が来ると、それまでずっと手に隠し持っていたポップコーンを見せびらかし、「キャラメルのポップコーンを玉木さんに渡されたんで、俺ずっと握ってて手が汗びっしょりで拍手もできないよ。なんなのこれ。こんなの渡されて、俺も映画のこと喋りたいんだよ」と玉木を攻めまくっていたが、玉木からあっさり「喋っていいよ」と言われて「そうなると緊張しちゃうんだな」とたじたじ。「皆さん、椅子の下にメガネがあると思うんですけど、今回3Dの『のだめ』をやるということで・・・」と得意のギャグを噛ましてみるも観客は無反応。玉木から「違うだろ」とつっこまれて客席が盛り上がると、「俺の予想ではみんな椅子の下をガサガサやってくれると思ったら、誰も探らないんだね。言うことを考えて来なかったっていうから瑛太さんにこのネタを伝授したのに、瑛太さんがこれを使わなかったので、すごく線引きがうまい人だなと思いました」と妙に感心していた。
ターニャ役のベッキーは「この一員に混ぜてもらって本当に嬉しいです。もしスクリーンで他の人がターニャをやっていたら私は嫉妬していたと思います。ターニャは後半になると母性がでてきて優しくなっているので、そこを自分でも見てみたいです」とコメント。ところが、ベッキーの格好を見た竹内英樹総監督から「『アリス・イン・ワンダーランド』みたいな格好はやめてもらいたいです」とするどいつっこみを受けていた。『のだめカンタービレ』と『アリス・イン・ワンダーランド』は同日公開の言わばライバル作品。どちらが1位に輝くか興味深いところであるが、関係者にとってこれはもちろん禁句。それを総監督自らが破ってしまった。
山田は今回はピアノを披露しているが、「ピアノは早くなってくるとどこを弾いてるのかわからなくなるから大変でした」と苦労した様子。「ラベルを弾いてる瞬間だけは千秋との恋が実ったような気がしました」とのことだ。ちょっと緊張していたのか、喋っているうちにだんだん声が小さくなっていき、「すいません。急に緊張しちゃった」と恥ずかしそうに福士の陰に隠れる初々しい一幕も見られた。
唯一キャラクターの扮装で登場した竹中は、舞台挨拶中も役になりきって、「とてもすてきなキャストに囲まれてとてもハッピーでした。OH!」と演技に没頭。どさくさ紛れに上野樹里にボディタッチを迫ろうとしていたが、途中、自分の演技に自分でプッと吹き出してしまい「すいません、ちょっと素に戻っちゃいました」と謝るお茶目な一面も見せた。
竹内総監督は、「1年間のだめのことを考えてやってきました。前半はさわかやな白ワイン、後半は重たい赤ワインのようになっています」と前編・後編を真面目に分析。一方、すっかりあがっていた川村泰祐監督は額に汗をかきながら、声を震わせて「4年間の皆さんの精一杯が絵にもちゃんと出ていると思います」と挨拶していた。そんな監督のことを上野は「テディベアみたいなすごく可愛い監督」と呼んでいた。
いよいよ『のだめ』もこれが最後。最後の総まとめとして、上野は「ミルヒーが最後にすごくいい言葉をいうので、その言葉をこれからも胸に抱いて頑張っていきたいと思います。皆さんもこれでお別れですが、しっかりと焼き付けてください」と力強く語った。
『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』は、東宝の配給で、4月17日(土)より全国ロードショー。(文・写真:澤田英繁)
玉木宏、瑛太。
水川あさみ、小出恵介。
ウエンツ瑛士、ベッキー。
山田優、福士誠治。
吉瀬美智子、竹中直人&川村泰祐監督。
2010/04/13 0:18