20年以上の時を経てあのロマンポルノが帰って来た
3月4日(木)、渋谷にて、『後ろから前から』に出演する宮内知美(35)、木下ほうか(46)、監督の増本庄一郎(40)がトークショーが行った。
『後ろから前から』は、「ロマンポルノ」を現代に蘇らせた作品。「ロマンポルノ」は日活が1971年から1988年まで17年の間に1133本を製作。10分に1回カラミを入れることを守れば、あとは作り手が自由に思う存分作って良かった。ここから才能を開花し、滝田洋二郎、中原俊、金子修介、中田秀夫など、日本を代表する映画監督たちが巣立っていった。アダルトビデオはエロに特化するあまり、男性の欲望を満たすだけのものになったが、ロマンポルノが提供するのは想像力を掻き立てるエロス。それゆえに男も女も見る者を限定しない。
これも何やら妄想を掻き立てるタイトルだが、これは1980年の畑中葉子の主演映画をアレンジしたもの。宮内知美はタクシーの運転手役で登場。営業成績を上げるために女の武器を使う秘策を考えて・・・。笑って楽しめるコメディ仕立ての一本になった。
撮影は冬に行われたが、5日の撮影で毎日のように徹夜をしていたので10日分のボリュームがあったという。真夏のシーンの撮影では、宮内は寒い中、ノースリーブでがんばった。残業続きのため疲れていた木下は共演者の琴乃が事前に演技の練習して来なかったことで大喧嘩したエピソードも明かした。
劇中ミニスカ、美脚を披露した宮内は「ロマンポルノは影響のある言葉と聞いていたので、それに携わることで成長したと思う」と前向きに話しており、「この映画も寅さんみたいになったらいいなと思う」と続編への意欲も見せた。芸人でもある監督は「それいいね。盆と正月に『後ろから前から』を上映して、全国を渡り歩いて、マドンナみたいに毎回違う男がお客さんになったら面白いね」と同調していた。
『後ろから前から』は日活の配給で、3月12日(金)までユーロスペースにて限定レイトショー。
2010/03/08 6:51