音楽と映像のコンセプト TWIN TAIL の『蘇りの血』公開

蘇りの血

12月19日(土)、渋谷にて『蘇りの血』の初日舞台挨拶が行われ、中村達也(44)、草刈麻有(16)、渋川清彦(35)、新井浩文(30)、豊田利晃監督(40)が登壇した。

『蘇りの血』は豊田監督が4年ぶりに作った作品。BLANKEY JET CITYなどの活躍で知られる日本屈指の名ドラマー中村達也が主演を務める。この中村達也と、勝井祐二(ROVO)、照井利幸(元BLANKEY JET CITY)、豊田利晃監督の4人による音楽と映像をコンセプトにしたロックバンド"TWIN TAIL"の活動が発端となって映画へと発展したものがこの作品だ。映画ファンよりも、むしろ音楽ファンの方がピンと来る映画といえるかもしれない。

"TWIN TAIL"についてはYOU TUBEなどで検索すればすぐにヒットするので、一度そのライブの模様を見てみるといいだろう。70年代を彷彿とさせるサウンドは、独特のグルーヴ感があって恍惚とさせる。豊田監督は「中村達也のドラムを聞いていると涙が出てくる」とまで言った。

舞台挨拶では、豊田監督は開口一番「『のだめカンタービレ』じゃなくて『蘇りの血』を見に来てくれてありがとうございます」と挨拶した。ごもっとも。どれだけ宣伝してたかわからない『のだめ』とは規模が違いすぎる。さらにこの日は『レイトン教授』や『ウルルの森の物語』、おまけに『アサルトガールズ』も裏で舞台挨拶をやっていた。上野樹里に堀北真希に深田恭子に黒木メイサ。強敵が揃った中で初日を迎えた監督の心境がよく伝わってくる。

とはいえ、この映画のヒロインもなかなかの注目株。厳しいオーディションを勝ち抜いた草刈麻有はまだ16歳。草刈正雄の娘であることを公にしようとせず、舞台挨拶では「とても一途な女の子なのでそこを意識して演じました」と自己紹介したしっかり者である。共演者の新井も「豊田監督の突然の要求を全部受けてすごい女優でした。それにひきかえ僕は何も出来ずにかたまってしまって、あまりのショックに落ち込んで日活から歩いて帰りました」と彼女の才能にちょっぴりジェラシーの様子。

渋川の存在も忘れてはならない。豊田映画の常連俳優だが、奇しくも『フィッシュストーリー』ではドラムを叩いていた。今回は大王役。本人はひょうきん者で、舞台挨拶では「今朝は富士山がくっきり見えました。日本晴れです」と挨拶し、笑いを誘っていた。

本作は歌舞伎や浄瑠璃の演目にもなっている説話をモチーフにした寓話となっており、豊田監督曰く「人が蘇る瞬間というのはどういう瞬間だろうと思って作ってみました。その蘇る人が中村達也だったことは僕にとって意味のあることでした。見てもらえると他に誰ができるんだという内容になっています」とのこと。渋谷とは真逆の世界がそこに広がっているという。

『蘇りの血』は12月19日(土)より、ファントム・フィルムの配給で、渋谷ユーロスペースほか全国順次公開。

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2009/12/21 2:40

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