カリスマデザイナー、トム・フォードは映画を語らず

トム・フォード

10月19日(月)、トム・フォードが『シングル・マン』を引っ提げて来日。六本木で行われている東京国際映画祭のティーチインに立った。

『シングル・マン』はイヴ・サン・ローラン、グッチなどを手がけてきたファッションデザイナー、トム・フォードが監督として映画の世界に挑んだ意欲作。コリン・ファース、ジュリアン・ムーアが出演しており、ベネチア映画祭ではコリン・ファースに主演男優賞をもたらした。

この日の上映はほぼ満席。客席には日本の有名俳優の顔もちらほら見られた。取材受付には海外からの記者も多数来ていたが、レイト・ショーで夜遅かったにも限らず、トム・フォードの事情で段取りが何度も変更になり、開始時間を過ぎても記者たちはなかなか中に入れてもらえない状況だった。挙げ句の果ては、写真撮影以外は全員取材拒否ということになり、集まった記者たちは猛反発、スタッフにクレームをつけていた。

屈託のない笑顔で登場したトム・フォードは「左から右に順にカメラに目線を送るから」とカメラマンを指さしながら一人一人のカメラに目線を送ると、「それじゃここまで」と下がり、一旦記者達を退場させた。謎に包まれてしまったトム・フォードの気になるこの日のスピーチについては、聞くところによれば「映画が全てを語ってくれるから僕自身はここで語ることは何もありません」の一言だけだったという。カリスマデザイナーは、映画についてもあまり多くを語らず、というわけか。

それにしても、話はずれるけど、この大変な状況の中で現場を仕切っていたスタッフの皆さま、報道に誇りをかけている記者の皆さま、お互いに色々な事情があるのはわかります。本当にお仕事御苦労さまです。頭が下がります。(澤田)

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2009/10/20 23:53

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