これが韓流スターのパワー『グッド・バッド・ウィアード』
8月27日(木)、新宿にて、先行上映された『グッド・バッド・ウィアード』の舞台挨拶に、イ・ビョンホン(39)、チョン・ウソン(36)、キム・ジウン監督(45)が登壇した。
『グッド・バッド・ウィアード』は韓国製のマカロニ・ウエスタン風アクション活劇。韓国で最も人気のある3人の俳優チョン・ウソン、イ・ビョンホン、ソン・ガンホが共演を果たし、それぞれ良い奴、悪い奴、変な奴を演じる。
このイベントは、まさに日本での韓流の人気の凄さを見せつけるイベントとなった。3人揃ってワンセットの映画なので、名優ソン・ガンホが来られなかったのは非常に残念でならないが、それでもこの日のチケットは販売されるや、あっという間に完売した。
通常この手のイベントは夜に行うものだが、今回は午前中に実施。それにも関わらず、早朝から沢山のマスコミが集まった。
舞台挨拶といったら、通常ならば集まるマスコミは20社前後。少ないときは5社程度しか来ないこともあるのだが、この日はスチール、ムービー、両方含めて100社くらいの媒体が集まっていた。
ハリウッドスターの場合、こういうイベントはアリーナかスタジアムで行うものだが、今回は普通の映画館で行われたため、記者たちは映画館に鮨詰め状態になった。見慣れない記者が多く、半分はモグリなんじゃないかと思ったくらいだ。ファンにここまでさせる韓流はやっぱりすごい。
イベントでは、司会者が「それではゲストをお呼びしたいと思います」と言った瞬間から会場がざわざわとどよめいた。まだ登場してないのに女性ファンのビッグウェーブの予兆を感じさせた。
ゲストが登場すると映画館はキャーキャーと黄色い声援に包まれた。イ・ビョンホンが何かするたびに大騒ぎ。ポーズを変えればキャーキャー騒ぐ。投げキッスでもすれば発狂ものである。ビョンホンが何気なく鼻を掻いただけでここまで喜べるものだろうか。ビョンホンは今年3度目の来日だが、これだけ人気があれば何度でも来たくなる気持ちもわかるというものだ。
チョン・ウソンも今年はWOW FES!の関係で日本にだいぶ馴染み深くなってきたところ。「イ・ビョンホン目的で来た」と言う最前列に座っていたイ・ビョンホン・ファン・クラブの会員の方が「チョン・ウソンの方がかっこいいかも」とつぶやいていたのが印象的であった。ウソンは会見中もエレガントに、真面目に挨拶し、まさに「良い奴」という感じ。「撮影中、腕を骨折しましたが、撮影を中断させてはいけないと思い、演技を続けました」、「この映画がヒットすることを願っています」と、話すことがちょっと真面目過ぎる印象だった。
一方、イ・ビョンホンはウィットに富んだトークで会場を沸かせた。監督とのコンビネーションが絶妙で、監督が「キャスティングの段階で、悪役のイ・ビョンホンが不機嫌そうな顔をしてたけど、君は普通にしていれば悪役になるから安心しなさいと言って説得しました」と語るや、ビョンホンは「悪役かどうかは問題じゃなくて、僕は監督が俳優をこきつかう監督だと知っていたので、この監督とまた一緒にやるのかと悩んでいたんだ。これは、良い奴、悪い奴、変な奴というタイトルだけど、そこに酷い奴ということで監督が加わったんだと思います」と返し、場内の爆笑を誘った。
この日はゲストとして、この映画の日本版主題歌を書き下ろしたORANGE RANGEのRYO(23)が登場し、ビョンホンとウソンに花束を贈った。ウソンは「このような素敵な曲を作って下さってありがとうございます。RYOさんのロックが映画に新しいリズムを与えてくれました」とRYOを讃えた。RYOは「嬉しいです」と感謝しきりだった。
西部劇にちなんで、オモチャのライフルで客席にサインの入った弾丸を放つところではファンの熱気は最高潮に達した。
ジウン監督は「平穏で静かな日本で、こんなにうるさい映画を上映できて嬉しいです。日本人は静かに映画を見ると聞きますが、今日はロック・コンサートに来たと思って、拍手しながら楽しんで下さい。さっきサインボールを取り合ったときのその意気で映画を見て下さい」と挨拶し、客席から喝采を浴びて、見事にソン・ガンホの代役をまっとうした。
本作では、青・赤・黄、3色でキャラクターのイメージカラーをはっきりと色分けし、コントラストを際立たせているが、映画館のホワイエのテラスでは、映画のヒットを祈願して、青・赤・黄のダルマにグッド・バッド・ウィアードの頭文字を入れる目入れ式も行われた。(文・写真:澤田英繁)
『グッド・バッド・ウィアード』は、CJ ENTERTAINMENTとショウゲートの共同配給で、8月29日(土)より、新宿バルト9、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー。
2009/08/28 7:22