声優の福圓美里が登場『8月のシンフォニー』初日舞台挨拶
8月22日（土）、渋谷にて、『8月のシンフォニー -渋谷2002〜2003』の初日舞台挨拶が行われ、原作者の川嶋あい(23)、主演の福圓美里(27)、監督の西澤昭男(67)が登壇した。
『8月のシンフォニー』は川嶋あいの生い立ちを元にしたアニメーション映画。映画の舞台となっている渋谷は、川嶋にとって原点でもあり今後の目標・出発点にもなっている最も思い出深い場所。この日は、ここ渋谷で舞台挨拶することが叶い、登壇者もファンも特別な思いで訪れた様子だ。中には遠方からわざわざ出てきて、20日のC.C.Lemonホールのライブを見て、そのまま東京に滞在して舞台挨拶を見てから帰ったという人もいた。
主演の福圓は、「原作を拝見しましたが、人見知りするところとか、私にちょっと似ている部分がありました。演じることができて嬉しかったです。川嶋さんの当時の高校生の映像も見させていただきまして、ナチュラルに演じることができました」と挨拶。福圓は、『福圓美里のラジオ8月のシンフォニー』ではパーソナリティーを務めており、西澤監督、川嶋あい、高橋惠子と番組内で対談するなど、これまでも積極的に映画のPRを手伝ってきた。
本作はアニメだが、登場人物の絵のタッチが優しく、実写に近い形で、好感が持てる。川嶋は「社長は実際よりもイケメンに描かれています。他のメンバーは逆に美化しないように描いてとリクエストしてました」と裏話を明かした。主人公のアイは、キム・ヨナをイメージして描かれているという。福圓は、単身、歌手を目指して上京してきた高校生アイの苦楽を見事に演じ、このキャラクターに命を吹き込んだ。
『8月のシンフォニー』は、ゴー・シネマの配給で、8月22日（土）から、渋谷東急ほか、全国ロードショー中だ。
ところで話は変わるが、シネマガでは、本作をサイト内で紹介するのは実はこれで4度目になる。渋谷109での路上ライブ、マスコミ向けの完成披露試写、渋谷C.C.Lemonホールでのライブ、そしてこの初日舞台挨拶。1本の映画をこんなに念を入れて紹介したのはシネマガ始まって以来初めてかもしれない。ここまでやろうという気になったのは、映画の内容が良かったことが一番の理由ではあるが、それと僕自身、映画を見てから、すっかりあいちゃんに惚れ込んだことも大きな理由のひとつである。ある意味、僕はあいちゃんの追っかけをやっているような気分だった。
映画には様々な普遍のテーマが詰まっている。人との絆もひとつのテーマであるし、出会いと別れもまたテーマである。映画ではアイが学生たちと出会うことで、歌手デビューを実現することができた。彼らとの出会いがなければ成し得なかったことである。出会いというものは本当に不思議なもので、なんというか、ある意味奇跡だなと僕は思う。例えば、こうして僕がこの映画を取材させてもらっているのもある意味、奇跡のようなものだから。
たまたま以前ウチのサイトで配給のムービーアイさんの映画を紹介したことがきっかけになって、『8月のシンフォニー』のDVDを送っていただいたのが事の始まり。そこで初めてこの映画の存在を知った。ムービーアイさんがDVDを送ってこなければ、僕はこの映画の存在を知ることはなかったかもしれない。実にもったいない話である。僕は映画を見たことがきっかけとなって、川嶋あいさんのファンになり、CDを全部揃えた。ウチはスタッフ本人が言うのも何だけど、誰も知らないようなマイナーな映画サイト。でもそんなウチにもDVDを送ってくれたムービーアイさんには本当に感謝している。一週間後、ムービーアイさんが破産したというニュースを読んでショックを受けた。ウチでも最後に何か協力できればと思い、本当に微力ながらも、それがこの映画を徹底的に紹介したいという思いにつながった。西澤監督の奥さんも僕の記事をとても喜んでくれて、そのつてで憧れの川嶋あいさんに直接会わせてくれて、僕は緊張して全くと会話はできなかったけど、もう本当に嬉しかった。つばさレコーズのスタッフの方も親切にしてくれて、8月20日のC.C.Lemonホールでのファイナルライブまで取材させてもらって、何という幸福に恵まれたか。
でもよく考えたら、これまでの出会い全てが偶然というか、なんというか、奇跡みたいなものに思えてきて、これが映画でも描かれているひとつの大きなテーマなのだと僕は思っている。今では僕もこの映画に関わった皆さんとは仲間意識のようなものを感じている。だからこの日の取材が最後と思うと、なんだか心寂しい思いである。もちろん、あいちゃんは今後もずっと応援していくつもりだけど、もしまた何か機会があれば、ぜひまた参加できればと願っている。（文・写真：澤田英繁）
2009/08/23 8:27
