また新たなカルト映画伝説誕生『吸血少女対少女フランケン』

川村ゆきえ、乙黒えり

8月15日(土)、新宿にて『吸血少女対少女フランケン』の初日舞台挨拶が行われ、川村ゆきえ(23)、乙黒えり(26)、斎藤工(27)、亀谷さやか(33)、友松直之監督(42)、西村喜廣監督(42)が登壇した。

世界に誇れる日本のカルト映画の登場である。内容は学園物の血みどろホラー映画。映画としての造形の醍醐味が詰まっている作品だ。清水崇が出ているところもカルト的。この日、やっと日本で封切りとなったが、この類の作品は世界中にファンが多く、すでに世界では高い評価を獲得してきた実績がある。

本作は友松監督と西村監督の共同作品である。もともとアクの強い監督二人がタッグを組んだことで、さらにアクの強い奇想天外な物語が誕生した。西村監督は「もともと友松監督が持ってきた作品なので、俺が監督していいのかなと思ったけど、二人ともやりたいことがあったし、監督としてよりも、この映画はどうやったら面白くなるかってことを相談した」と振り返った。友松監督は「ただ自分が好きなことだからという理由じゃ相手は説得できない。だから友松色と西村色、両方入ってはいるが、結局は娯楽作品を作ることに集約した」と話しており、本作が単なる趣味的なものではないことを証明した。二人ともスキンヘッドにヒゲ面と、かなりのコワモテだが、性格はとてもひょうきんで映画愛が伝わってくる感じだった。

この日の舞台挨拶について、以前、これと同じ空気をどこかで感じたことがあるなと思ってたら、ノリが『ハード・リベンジ、ミリー』のときの舞台挨拶に似てることに気づいた。時間内でみんなが和気あいあいと作品について語り合うスタイル。その空気に、お客さんも癒されてしまう。まさに映画館に「遊びに来た」ような雰囲気という奴。川村ゆきえも乙黒えりも、ガールズトークで盛り上がっていて、とっても楽しそうだった。映画に出ていた役者が司会を兼ねていたのもわかりやすかったし、舞台挨拶は色々あるけれど、これはかなり良質の部類だったかと。

子供の頃、ドラキュラとフランケンシュタインが戦ったらさぞかし面白いだろうと思ったけど、そういった中学2年生が考えるような発想を形にしてしまった映画がこれだ。しかも戦うのはセーラー服にさらさらストレート、黒髪のポッチャリ系タレ目と、いかにも萌え萌えな感じ(褒めてます)。ポスターのアートワークに少しでもビビビと感じるものがあったら、映画の内容もきっと楽しめるに違いない。

背景は学園ものの青春もの。吸血少女と少女フランケンは、一人の美青年を巡って、恋の激しいバトルを繰り広げる。斎藤は「28にもなるのに学ランを着るとは。僕は二人から愛されるヒロインみたいな男でした」とコメントしていた。そんな斎藤は本作を『R指定のドラえもん』と評した。

色々な部が登場するのも学園ものならでは。リストカット好きが集まったリスカ部、ゴスロリファッションの仲間達が集まったゴスロリーズ、そして黒人好きが集まったガングロ部などが登場する。舞台挨拶中、両監督は「海外でも受けるように、海外にない部を考えた」と説明。ニューヨークの映画祭で上映したときには、ガングロ部が「Yes, We Can」と踊るシーンでは黒人の客が一人出て行ったという。しかもその日はマイケル・ジャクソンが亡くなった次の日で、セリフの中に「マイケルは黒なんだよ」というシーンがあって、タイミングが悪かったが、「俺はマイケル・ジャクソンは好きだけど死ぬとは思わなかった。だから映画では思い切り笑ってくれ」と話したら、お客さんもちゃんと笑ってくれたそうだ。

川村は「最初にセーラー服だよと言われて、わーい、と思ったのですが、次に吸血少女だよと言われて、もっと、わーい、と思いました。私血みどろ大好きなんです」とコメント。先日原幹恵がホラドル第1号に任命されるイベントなんてのがあったけど、『ひとりかくれんぼ』、『華鬼』など、学園伝奇ものの出演作が相次ぐ川村はリアルにホラドルの域に達した感じである。

乙黒は「アクションの中で一番驚いた指示は、腕を取って頭につけて飛ぶシーンです。最初は勢いよくやったんですけど、西村さんから、違う、もっと『ドラえもん』みたいにやって、と言われて、真剣な顔でやらなきゃいけないんですけど、笑いがとまらなくて、とても面白い新鮮な作品だなと思いました」とコメントしていた。

川村と乙黒は、合宿では裸で<ジョッキ生>を飲み合う仲だったそうだ。今度一緒にお忍びで映画館に見に行くと宣言していたけど、もしそれが本当なら、二人に気づかないわけがないだろう。運が良ければ二人に会えるかもしれないぞ。(レポート:澤田英繁)

『吸血少女対少女フランケン』はエクセレントフィルムパートナーズの配給で公開中。

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2009/08/17 7:09

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