童貞たちの賛歌?『色即ぜねれいしょん』

『色即ぜねれいしょん』初日舞台挨拶より

8月15日(土)、渋谷にて、『色即ぜねれいしょん』の初日舞台挨拶が行われ、渡辺大知(19)、峯田和伸(31)、リリー・フランキー(45)、臼田あさ美(24)、石橋杏奈(17)、森岡龍(21)、原作のみうらじゅん(51)、監督の田口トモロヲ(51)、総勢8名が登壇した。

『色即ぜねれいしょん』は、『アイデン&ティティー』以来6年ぶりとなる田口トモロヲの新作。そしてまたしても原作は前作と同じみうらじゅん。前作に主演した峯田和伸もメインキャストで参加しており、前作で脚本を書いていた宮藤官九郎も出演、ファミリーが集結して一本の映画を作り上げた。

田口監督は「人生二度もみうらさんの原作を映画化するとは。6年前も同じこの場所(シネセゾン渋谷)で舞台挨拶をしました。最近は激動のニュースばかりで、劇場に足を運んでくれる人がいるのか心配でした。映画というのは、お客さんに見ていただいて、初めて完成するものです。ようやく今日皆さんに見ていただいて、映画が完成しました。田口としてはマンモスうれピ〜です」と、渦中の酒井法子の言葉を借りて挨拶し、笑いを誘っていた。

みうらは「原作を書いていたときに、おかんからセックスシーンがなくてパンチが足りないと言われたのですが、映画の内容は原作よりも素晴らしくて、またしても原作超えということで、ありがとうございます」と田口の手腕を絶賛。今後も名コンビとして松本清張と野村芳太郎のような関係を築ければと冗談交じりに話していた。

『色即ぜねれいしょん』は、文科系の若者たちのロックな青春を描いた物語ということで、キャストの多くはバンドマンである。前述した峯田和伸は銀杏BOYZのボーカリスト。主演は、黒猫チェルシーの渡辺大知。父親役はリリー・フランキーである。他にもくるりの岸田繁が登場する。元アイドル歌手の堀ちえみが23年ぶりに映画出演していることでも話題になった。

渡辺は2000人の中から主役の座を勝ち取った大型新人。撮影中、スタッフやキャストと苦楽を共にし、「映画の裏側で、みんなで同じ目標で良い作品を作ろうと協力しあってるところを実感できて、映画って凄いと思った」とコメントしていた。

リリー・フランキーは、「ついに俺がみうらさんをじゅんと呼ぶ日がくるとは。今朝、オカマの友人から生まれて初めて夢精をしたというメールをもらいまして、この映画の初日に相応しいなと思いました。この映画は一番リアルな青春ですね。10代に東京に出てきて、田舎帰るときに、何ら肉体関係がある人がいないわけですから、爽やかに帰れるわけですが、青春をおいてきたようなイライラもあるわけで、だから渋谷で高校生のカップルとか見ると本当に車で轢き殺したくなるんですけど、この映画を見て救われた気がしています。この映画にもずいぶん童貞の長かった人と、本当の童貞の人に出演していただいて、妙な仲間意識が生まれました。今日初日来られている方にも、高校時代やりまくっていた人はいないと思うので・・・えっと、質問何でしたっけ?」と得意の名調子を披露してくれた。この生々しさが、みうらとリリーの『グラビアン魂』へとつながっていくのだろうと、そう思わせた瞬間だった。

最後に田口は、「不良や体育会系の映画ならあったと思うのですが、こういう文科系で地味なグレーゾーンの青春は、ありそうでなかったと思います。『文科系クローズZERO』、『ROOKIES ~卒業できない~』、あるいは『余命70年の童貞』というような作品になっていると思います。今日来た方達は、ほぼ童貞マインドをキープしている人たちと思うので、仲間ですから。もし映画を気に入ってもらえたら、映画をネズミ講のように、ご家族、ご友人、そこら辺を歩いている人にでも紹介していただけたらと思います」と映画をPRし、舞台挨拶は大爆笑のうちに終了した。

『色即ぜねれいしょん』は、スタイルジャムの配給で、シネセゾン渋谷、新宿バルト9、吉祥寺バウスシアターほかにて全国公開中。

[PR] 戦国時代カードゲーム「秀吉軍団」好評発売中

2009/08/17 10:29

サイトのコンテンツをすべて楽しむためにはJavaScriptを有効にする必要があります。