連ドラ・アニメ『東のエデン』ライブイベント開催
8月5日(水)、渋谷にて『東のエデン』のPRイベントがあり、神山健治監督と、エンディングテーマ曲を担当するschool food punishmentが出席。ライブとトークショーを行った。
『東のエデン』は、フジテレビの「ノイタミナ」で放送した人気アニメ。「ノイタミナ」とは、テレビアニメの新しい方向性を示すべく、フジテレビが「連ドラのようなアニメ」をコンセプトに深夜枠に設立したアニメシリーズ。普段アニメを見ない大人にも楽しめる作品を追求しており「Animation」を逆さにして「noitaminA」と書く。『東のエデン』はプロダクションI.Gの製作で、2009年4月から6月にかけて11話を放送。同時間帯視聴率は1位。深夜枠にして瞬間最高視聴率5.7%を記録した。作品では、Mr.OUTSIDEなる人物によって「この国を正しき方向へ導く」任務を強制的に課せられた「セレソン」と呼ばれる12人の日本代表が選ばれる。セレソンは100億円の電子マネーがチャージされた「ノブレス携帯」を持っており、依頼を告げるとJUIZ(ジュイス)と呼ばれるコンシェルジュが依頼を現実のものとすべく手配し、お金に換算されて電子マネーの残高から引かれていく。JUIZが受け付けた依頼は他のセレソンにも通知される。任務を途中放棄したり、何の成果もあげられなかったセレソンはサポーターに抹殺される。原作小説は『ダ・ヴィンチ』で連載中。
このテレビシリーズのBlu-ray&DVDの第1巻が現在発売中。8月26日(水)には第2巻が発売、11月まで1ヶ月に1巻のペースで全5巻を発売する。11月にはテレビシリーズでは描ききれなかった秘密などについても描く劇場版第1作が、さらに来年1月には続編となる劇場版第2作が公開予定。神山監督はエアコンが効き過ぎて寒すぎる旅館に缶詰になって、喉がガラガラになりながらも夏休み返上で鋭意製作中だという。
school food punishmentはフランスでもライブをやるほどの人気ロック・バンド。内村友美(ギター)、蓮尾理之(キーボード)、山崎英明(ベース)、比田井修(ドラム)の4人からなる。フランスでは日本のアニメが大人気で、内村はフランスで「次の私たちの作品は『東のエデン』の曲です」と挨拶したとき、まだフランスでは放送していなかった作品だったにも関わらず大喝采をもらい、日本のアニメの海外でのコンテンツ力に驚いたという。内村は、アニメのテーマ曲を提供後、放送まで一度も絵が入った映像を確認させてもらったことがなく、放送日になって一視聴者として番組を鑑賞、「なんて面白いアニメなんだ」と思いつつ見ていたら最後に自分のバンドの曲が流れて、音に映像がついていることに感動したという。
イベントでは、客席から「もしもセレソンに選ばれたら何をする?」という質問があったが、school food punishmentは「100億円ありますからね。バンドの機材を買うかな」とあまりにも現実的な回答が。神山監督は「自分の力では会えない人に会いたい。会ってもしょうがないと思うけど総理大臣とかアメリカの大統領とかに会って話を聞きたいなと。ただそれをつきつめると物語としては面白くなくなりますから」と頭の中はストーリーのことで一杯の様子。
続いて「あと8時間でミサイルが落ちるとしたら何をしますか?」という質問では、神山監督は「徹夜が続いてモスバーガーばっかりなので、もうちょっとうまいものを食べたい」と結構痛々しいコメントだった。一方、内村は「自分の書いた歌詞で未発表のものが焼けてなくならないように、遠くに送ります」とアーティストならではのコメントだった。
最後に神山監督は「今までテレビで見たものを映画館に来いってのか、というものはあったのですが、作り手として長尺で描くことの手応えを感じていますし、損はさせないという自負もあります。ぜひ映画館に足を運んで下さい」と挨拶し、イベントは華やかに幕を下ろした。
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『東のエデン 劇場版 I The King of Eden』は2009年11月28日、『東のエデン 劇場版II Paradise Lost』は2010年1月9日、テアトル新宿、テアトルダイヤ、ユナイテッド・シネマ豊洲ほかにて全国順次ロードショー。
2009/08/09 0:24