『つむじ風食堂の夜』函館は異国のような町

『つむじ風食堂の夜』記者会見

7月16日(木)、赤坂にて、『つむじ風食堂の夜』の製作発表会見が行われ、八嶋智人(38)、月船さらら(34)、スネオヘアー(38)、篠原哲雄監督(47)が登壇した。

『つむじ風食堂の夜』は映像と音楽のコラボレーションを描くムービーシリーズ「CineMucica(シネムジカ)」の第7弾作品。吉田篤弘の原作を『真夏のオリオン』の篠原哲雄監督が映画化。オール函館ロケで撮影が行われた。

「私」役(役名なし)で堂々と主演を演じた八嶋は、「自慢話になってしまいますが、原作者の吉田さんは私を想像してこの小説を書いたそうで、私にとっては来るべき作品が来たという感じでした。何のブレもなく演じることができました」とコメント。「『アマルフィ』みたいにお金があるわけではないので小数精鋭のメンバーで函館に乗り込みまして、北海道教育大学の学生さんもボランティアで手伝ってくれてみんなで作りました。あまりに寒いので知らない人の家に泊めてもらったのですが、クリスマスケーキまで御馳走になりました」と話していた。

相手役の月船は「こういうほのぼのした作品に出たことがなかったので嬉しかったです。台本を読んでいて、月舟町というのが出て来て、ちょうど役柄が私の私生活と重なっていたので、これは運命だと思いました。函館は想像を絶する寒さだったのですが、だからこそ函館の皆さんの温かさが身に染みて感じて、こういう映画に参加できたことは、莫大な予算を使って作る映画よりもうんと幸せを感じられたと思っています」と話していた。

CineMusicaシリーズではこれまでミュージシャンが俳優として出演してきたが、今回はスネオヘアーが主題歌を担当しつつ、喫茶店のマスター役で出演している。スネオヘアーは「音楽では芽が出ないとわかったので、そろそろ喫茶店でも開こうかなと思っていたところだった。喫茶店のマスター役がやれてラッキーだった」と話していた。

篠原監督は「函館は日本にない感覚がある。もしかしたらここはコペンハーゲンかもしれないと感じさせる異国のムードがある。函館では路面電車が走る道は夜中誰もいないが、オレンジ色の電燈があって、夜中そこを歩いていると、どこか異世界に行かせてくれそうな気がして来る。函館の魅力はそこにある。他の場所に行きたくても行けない。つまりそこにぐるぐるとつむじ風がたまっていくという心象を表した味わい深い哲学的なストーリー、一風変わった映画になっていると思う」と自信を見せた。

記者から月船と共演した感想を求められた八嶋は、「綺麗な方ですが、関西のおばちゃんみたいなところがあるんです。僕がウェットな芝居よりもドライな芝居が好きだと単刀直入に話したら、僕の目を見て”わかりました”と言ってくれて、次からドライに演じてくれまして、これは完全に俺に気があるなと思いました。ずっと月船さんを心の支えにして撮影していたのですが、でも後から考えると月船さんはただ女優としての仕事をまっとうされていただけであって、僕個人のことはそんなに好きというわけではなかったんですね。僕は月船さんにすっかり翻弄されていました」といって記者たちを笑わせていた。

フォトセッションではクロケット(コロッケ)を持って撮影。これが映画の中では重要なアイテムとして描かれているという。

『つむじ風食堂の夜』は2009年全国順次ロードショー予定。

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2009/07/17 21:06

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