『リベンジ、ミリー』水野美紀のマニアックな性癖

『ハード・リベンジ、ミリー ブラッディバトル』

7月11日(土)、お台場にて、『ハード・リベンジ、ミリー ブラッディバトル』の初日舞台挨拶が行われ、出演の水野美紀(35)、辻本一樹(39)、藤田玲(20)、虎牙光輝(34)、監督の辻本貴則が登壇した。

この日の舞台挨拶は、マイクを一人ずつ回して行くという通常の舞台挨拶とは違い、登壇者全員がマイクを持ち、自由に発言する形で進められた。舞台挨拶にありがちな決まり文句はなく、登壇者が本音で語りあうという、まるで飲み会の席かと思うほど、わきあいあいとしたムードで、30分(一般的な舞台挨拶は15分)も会話が盛り上がった。従来のパターン化されたお硬い舞台挨拶とは違い、笑いの絶えない、充実した内容の舞台挨拶だったと言える。

考えてみると、日本映画界にはアクション映画がほとんどなかった。日本は主にドラマ、コメディ、サスペンス、ホラーが主流であり、生粋のアクション映画と言えるものは数えきれる程度しかない。そんな中、一人、辻本貴則監督が気を吐いている。水野美紀は「これほどかっこいいアクション映画を撮れる人は他にいない」と監督を絶賛している。今回水野は華麗にヌンチャクを振り回し、血みどろのアクションを展開する。辻本監督の作品に出演するのはこれで4度目となり、すっかり日本を代表するハードアクション女優になった。

失礼ながら、水野美紀ほどの人気女優が、こんなマイナーな低予算のアクション映画に出てもいいのか?と思っている人は少なくないはず。しかし、どうやら水野は別に嫌々やっているわけではなく、この仕事に誇りをもって、好き好んでやっているようだ。舞台挨拶では、水野のB級アクションに対するマニアックな性癖をたっぷりと聞くことができた。

本作で水野は太ももにショットガンを仕込んで登場する。これはロバート・ロドリゲスの『プラネット・テラー』が元ネタ。ロドリゲスは片足がマシンガンになっている美女を登場させ、カルト的な人気を獲得したが、これを見た水野は「私、こういうのをやってみたい」と監督の前でつぶやいたという。辻本監督は当初水野版『レオン』を作ることを目指していたというが、水野のこの一言に触発されて究極のマニアック・ヒロインを描くことになったという。水野の演じるヒロインは、右手がロケットパンチになる。水野は「ロケットパンチを楽しいと思う人と思わない人、日本人はふたつにわかれると思います。大槻ケンヂさんは監督のことを中2の脳を持つ人だと褒めてましたけど、こういうのを面白がれる人は素敵ですし、頼もしいと思います」とコメント。辻本監督は「こういうセンスが好きという人は本当はいっぱいいると思うんですよ。ただそれを人前で好きと口に出して言える人はいないし、実際に口に出して演じてくれる人は日本には水野さんくらいしかいませんから」と水野に感謝しきりの様子だった。

水野は続編にも意欲的で、次はいよいよ全身がサイボーグになっても構わないという。「鉄腕アトムみたいに飛びたい」と新たな願望を抱いていた。

この手のアクションは、日本ではまだまだ受け入れられるジャンルではないが、海外からの注目度は高く、すでにニューヨーク、モントリオール、スペインなどの映画祭で紹介されることが決まっているという。『ハード・リベンジ、ミリー ブラッディバトル』はジョリー・ロジャーの配給で全国順次ロードショー。

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2009/07/12 8:50

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