沖田修一監督商業映画第一弾『南極料理人』が絶賛される

沖田監督

【東京テアトル】6月10日(水)、新宿のテアトルタイムズスクエアにて、『南極料理人』の完成披露試写会が行われ、沖田修一監督が登壇した。

通常の映画館よりもひとまわりもふたまわりもスケールが大きいテアトルタイムズスクエアはほぼ満席。これが商業映画第一作となる沖田監督は、恐縮した面持ちで大きなスクリーンの前に立つと、「準備も含めて長い期間この映画に携わってきたので、上映できて幸せに思います。完成作品を見た堺雅人さんはにやにやして”大作になったね”と言ってくれました。堺さんは映画のために体重を8キロ増量しました。生瀬勝久さんは僕の隣で見ていたんですけど、ゲラゲラ笑ってくれて嬉しかったです。きたろうさんは僕の憧れの人で、現場では劇団の座長みたいな雰囲気で防寒着を着て走る姿が可愛かったです。高良健吾君はいつものハードボイルドな役とは違った役を演じてくれました。豊原功補さんは自分からアイデアを出してくれて、何をやらせても魅力のある人でした。僕はユニコーン世代ですが、阿部義晴さんはこの映画のために初めて映画音楽を手掛けてくれました。魅力的なキャストとスタッフに支えられてできた映画です。最後まで楽しんでください」と挨拶した。

この日の試写は記者向けの上映だったが評価は上々。エンドロールの後、業界向け試写としては異例となる拍手喝采が巻き起こった。

『南極料理人』は、西村淳の実体験に基づく爆笑エッセイ「面白南極料理人」を映画化したもの。『南極物語』で有名な昭和基地よりもさらに南極点に近いドームふじ基地での生活を描く。ドームふじ基地は富士山よりも高いところにあり、気温は-70℃にもなる。雪以外に何もなく、ウィルスさえ生存できない極寒の地。そこに8人の隊員たちが共同で生活をしている。隊員たちは何も学者だけの集まりというわけではない。医療担当、車両担当、通信担当、調理担当など、様々な役割を担った隊員たちが集まっている。この映画は彼ら8人の隊員たちの日常を描いたものだ。単調な毎日を少しでも活気付けようと、堺雅人演じる調理担当は基地に残っている様々な食材を使って、和食、中華、フレンチなど、様々な料理で隊員たちをもてなしている。麻雀したり野球したり、上映時間2時間強、特にこれといって何か事件が起きるわけでもなく、ほのぼのと時が流れて行く。この空気がなんとも清々しく、心地好い余韻を残す。数え切れないほどの料理を手掛けたのは『かもめ食堂』のフードスタイリスト飯島奈美。どの料理も本当においしそうで、隊員たちが食べている姿をみているだけで何だか幸せな気持ちになってくる。小ネタもいっぱい。『ジャージの二人』の堺雅人のコメディセンスが光る傑作だ。

『南極料理人』は8/8(土)よりテアトル新宿にて先行ロードショー。8/22(土)より全国ロードショー。
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2009/06/13 2:44

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