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加瀬亮ら最強の家族が集結『重力ピエロ』

『重力ピエロ』初日舞台挨拶

【アスミック・エース】5月23日(土)、新宿にて、『重力ピエロ』の初日舞台挨拶があり、加瀬亮、岡田将生、小日向文世、鈴木京香、吉高由里子、岡田義徳、脚本の相沢友子、監督の森淳一が登壇した。

『重力ピエロ』は伊坂幸太郎原作のミステリー小説を映画化した作品。加瀬亮と岡田将生が兄弟役で共演している。原作を1本の映画にまとめたのは相沢友子。相沢は「それまで割とテレビドラマをメインに書いていたので、ペースの違いに戸惑いました。この話が好きだから前向きに楽しく書いていたし、いつかみんなに見てほしいという気持ちを持ち続けることをこの作品を通して教えてもらいました。初日を迎えるまでに気が付けば5・6年という月日が経ってしまったのですが、ある意味そんなに長い間作品と寄り添えたことは幸運だったと思えます。今後プライベートや他の仕事で大変なことがあっても、この作品からもらった精神で乗り越えていけるような気がしています」と語っている。その逞しい精神は映画の中にも息づいており、映画を見れば、何か強いパワーを得られるような、そんな気がしてくる作品である。

加瀬亮
主演の加瀬は、この作品について「これまで何度もインタビューを受けて感じたことは、人それぞれ違う視点で見ているということでした。何度でも見れば味わいも違って来ると思います」と話していたが、この映画の魅力はまさにそこにだと言える。極上のミステリー映画でありながら、人間の心理を抉り出した奥深い作品。人それぞれの気持ちの持ち方で評価も変わる。

加瀬(兄)、岡田(弟)、小日向(父)ら男3人による家族の描写が秀逸だ。母親役を演じた鈴木は「こんな素敵な家族の一員として過ごせて嬉しかった」と振り返っていたが、これは本当に家族のキズナの素晴らしさが伝わって来る作品になっている。

岡田将生
舞台挨拶では、加瀬と岡田はまるで本当の兄弟であったかのようだった。司会者が岡田に難しい質問をしたとき、岡田は加瀬の方をチラチラ見ながら「助けてください」と小声で救難信号を送っていたが、加瀬はマイクを通さずに最前列のお客にしか聞こえない声で「なにをだよ」と知らん顔。そのやりとりはどこからみても本当の兄弟にしか見えず、実に微笑ましい光景であった。

今だから言えるエピソードについて聞かれると、加瀬は「一番びっくりしたのは吉高ですね。どこまでが演技で、どこまでが演技じゃないのかわからない。自分が予測した範囲を軽々飛び超えてやってくるので、ある意味大変でした」と若手女優を大絶賛。一方吉高は「加瀬さんは加減というものを知らない人でした。二人で走るシーンが多かったのですが、加瀬さんはどんどん先に行っちゃって、私は付いていくのに必死でした」とやや辛口であった。吉高は撮影中、他のメンバーと溶け込めず、休暇の日は独りぼっちだったらしく「タクシーの運転手と一緒に伊達政宗コースを必死で観光していました」と言って会場の笑いを誘っていた。

森監督は「今回は、ほとんど仙台で撮影したんですけど、探しても探してもイメージ通りの家が見つからず、大変でした。諦めたときにたまたまイメージ通りの家を見つけて、そこから交渉に交渉を重ねてようやく撮影を許可してもらうことになりました。スタッフの努力のお陰です」とコメント。

岡田義徳は、「撮影は2日で終わったので、撮影というよりは観光の気分でした。加瀬さんとは戦隊ものがやりたいですねと、そんな話をしていました。加瀬さんは僕のことを”緑が似合う”と言ってくれて、”俺はブルーは譲れないな”ってずっとそんなことを言ってました」とコメント。

鈴木京香
鈴木は「私、仙台出身なものですから。こんなに立派な子供たちがいながら、一緒に現場でお仕事することができなくて。加瀬君と岡田君に仙台のおいしいものを食べた?と聞いたら、どこででも食べられる全国チェーン店の名前を言ってたので、仙台の人間としてはちょっと残念でした。私が加瀬君と岡田君に仙台のおいしいお店の情報を教えられなくて残念だったという気持ちもあります」とコメント。

小日向文世
しかし一番面白いコメントをしたのは小日向だった。「今だから言えることですか? 僕はヅラかぶってました」と言った瞬間に場内は大爆笑。「京香さんと出会うシーンでは、僕は30代前半の設定だったので、さすがにこの頭では無理があるから、僕は個人的に作ったカツラをかぶってみたり、色々試しました。役所のシーンがありますよね。あのとき役所の人は京香さんに名刺を渡してるのに、僕には名刺を渡してくれなくて、ものすごく屈辱的な思いを味わったんですけど、でも一方では、やったぞ、僕は変身してるんだ!という達成感を味わいました」とのコメントに会場から割れんばかりの拍手喝采が贈られた。

さらに小日向は「最強の家族ということで、お客さんにエールをどうぞ」と司会者から振られて戸惑いながらも「サーカスのシーンで僕が息子に言うんですよね。”毎日楽しいことをしていれば重力なんか消してしまえるんだよ”って。多分そんな簡単には消えないと思うんですけど(笑)、笑っていればきっとハッピーなことは向こうから近づいてくるんじゃないかという思いでエールを送りたいと思います。皆さんいつも楽しく、エーイ!(照れ笑い)」と言って拳を突き上げた。思わず加瀬は「この舞台挨拶、ものすごい強引ですよね」と苦笑いしていた。

『重力ピエロ』は現在絶賛公開中。

『重力ピエロ』フォトセッション
(クリックすると5倍大きいサイズの写真を表示します)

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2009/05/24 10:00

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