白土三平の傑作『カムイ外伝』が実写映画化
【松竹】5月7日(木)、帝国ホテルにて、『カムイ外伝』の製作報告会見が行われ、松山ケンイチ、小雪、伊藤英明、小林薫、崔洋一監督が登壇した。
『カムイ外伝』は白土三平原作の漫画を実写映画化した作品。沖縄、京都、千葉、兵庫、滋賀、静岡、長野、茨城、山梨、神奈川、東京をロケし、ワイヤーアクション満載のアクション大作になっている。
松山は「僕にとって初めてのアクション映画です。忍者という役は、日本を代表する日本らしい役です。去年僕はこの作品を撮り終えることを一番の目標にしていました。今年の自分の目標はこれを公開して成功させることです。僕自身悩んだりとか過酷な状況もあったのですが、今は自分自身すごく納得いってるし、自分の中では最高のお芝居ができたと思っています」と挨拶。一度ケガで撮影を中断させているだけにクランクアップしたときの喜びもひとしおだったようだ。
小雪は「本当にこの作品は私にとって思い出の作品になりました。最初話をいただいたときには、この壮大な漫画のスケールをどう実写化するのか漠然とした不安がありました。私も初アクションということで戸惑いがありましたが、こうして作品に関わってくださった皆さんと仕事ができて幸せに思っています。それが私の力になっていると思うし、本当に感謝しています」と挨拶。さすがは国際的に活躍する人気女優とあって、会見中は撮影が禁止されていたにも関わらず、小雪が喋るたびにパシャパシャと無数のシャッター音が一斉に響き渡り、その音で小雪の声が聞こえなくなるほど。それは何とも異様な光景であった。
伊藤は相当撮影が辛かったのか「夏が暑いのは当たり前なんですけど、沖縄の夏は本当に暑かったです。とにかく暑くて、肉体的には自信があったけど、もうダメかなと思うこともありました。小さい頃忍者ごっこをやっていたから、これはリアル忍者ごっこだと言い聞かせていました」と話していた。小林も「大変なんてものじゃなく、夏場の沖縄でロケすることは殺人行為に等しいんじゃないかってくらい」と語り、とにかく撮影の過酷さが伝わってくる会見であった。
崔監督は「過酷といえば過酷でしたが、こう見えても僕は普段点滴とかうったりするんですけど、今回は大丈夫でした。若い人がバタバタ倒れたんですけど、やっぱり俺は強いんだなあと優越感を感じていました。というのは冗談ですが、とにかく苦闘の連続で、そういう苦闘を積み重ねた上での空気感、風が画面の中から出てくれればいいと思います。日本のポストプロダクションは大変優秀です。時間とお金をかければ海の向こうには絶対負けません。これほどポスプロに長い時間をかけるのは初めてです。今回は3分の2のシーンでCGを使っています。かつての日本映画は色んな幅をもって、本当にエンタテインメントしていました。必ずしも現代はそうではないのかもしれませんが、お金をかけて、手間暇かけて、さあどうだ!!と、そういう映画があってもよいのかなと思います。僕は40年前、10代の終わりごろから白土さんの漫画は読んでいて影響は受けています。そういう意味では、この作品には僕の奥底にある青春の部分も表現されているかもしれません」と作品にかける思いについて語っていた。
『カムイ外伝』は9月19日よりロードショー。
2009/05/11 2:32