リドリー＆トニー・スコット兄弟が描く兄弟ドラマ『ナンバーズ』
【パラマウント】『ナンバーズ』。またまたすごい海外ドラマが現れた。恐らく映画界で最も有名な兄弟監督、リドリー・スコットとトニー・スコットが手を組んだ作品だ。『ブレードランナー』、『エイリアン』など、卓越したビジュアルセンスで魅せる兄リドリーと、『トップガン』、『トゥルー・ロマンス』などスタイリッシュなヒット作品を次々と放つ弟トニー。映画では全くスタイルが異なり、全く違う道を歩んで来たこの二人が、ついにタッグを組んだのだから、映画ファンとしてはこれは無視できない。
しかもこれは「兄弟」をテーマにした犯罪ミステリー。兄はFBIの敏腕捜査官。弟は天才数学者。数々の事件を、バックでは弟が数学を駆使して謎を解明していき、フロントでは兄が体を張って悪と立ち向かっていく。まったく分野の違うこの兄弟が協力しあって事件を解決していく様が本作最大の見どころである。
どうして悪人が犯罪を犯したのか、数学を駆使して解明していくあたり、犯罪と数学がいったいどういう関係で結びついているのか、その興味は尽きない。「数学数学って、俺は数学は苦手だから多分このドラマは駄目だ」なんて思っている人も大丈夫。数学で解き明かして行くところも、もっともらしく数字を並べて話しているけど、感覚的に理解できるように作られているので、あまり難しく考えることもない。むしろヒューマンドラマ的な要素の方が大きい。骨太の犯罪ドラマを楽しんで欲しい。最強の兄弟が描いた最強の兄弟のドラマ、それが『ナンバーズ』である。
『ナンバーズ 天才数学者の事件ファイル シーズン1 vol.1』はパラマウントジャパンより、2009年5月22日発売開始（税込1029円）。
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2009/05/05 15:18
