島田洋七自らが『がばいばあちゃん』を映画化

島田洋七の佐賀のがばいばあちゃん

【アジア シネマ ギルド】4月22日(水)、虎ノ門にて、『島田洋七の佐賀のがばいばあちゃん』の完成披露試写会が行われ、原作・監督の島田洋七と、主演の香山美子、小林綾子が登壇した。

島田が自らの少年時代を描いた小説「佐賀のがばいばあちゃん」は、累計670万部の大ヒットとなり、その後テレビドラマ化、舞台化、劇場映画化されてきた。この作品は、原作者の島田が自ら監督となって再映画化したものである。頭は悪いけどひたすらまっすぐにすくすくと成長していく昭広少年と、貧乏だけどひたすら前向きながばい(すごい)ばあちゃんの心温まる人間ドラマである。

島田は「テレビ、舞台、映画、漫画とやり尽くしたけど、4041箇所講演をやってわかったんです。田舎には映画館がなくて、山の中のおじいちゃんおばあちゃんは映画を何十年も見たことがないんです。だから公民館で映画を見せてあげたいなという気持ちで今回は作らせていただきました。あと作ったきっかけは、印税が入って、使い道がなかったから。撮られるなら映画作れと。ところが作ったらこれが経費にならなかったんですね。だから困ってます。人間ある程度追われて借金がある方が楽しいです」と作品にかける思いを語ってくれたが、さすが講演会を重ねてきただけあって、そのとんちのきいたスピーチに会場は大爆笑だった。

香山は「とうとうおばあちゃんをやれる年頃になりまして大変嬉しく思います。この映画は島田洋七監督の思い出を濃縮ジュースみたいにして表現したものだと思っています」と挨拶。小林は「私も『おしん』から大きくなりましてお陰様でおばさん役をやれるようになりました。監督は現場でもギャグを飛ばしたり、とても楽しかったのですが、監督は撮影中に昔を思い出して泣いていたこともありました」と話していた。

島田は「映画はカメラさんと照明さんの言うことを聞いてたらできると思って、カメラさん、照明さん、役者さんに全部託しました。自分はスタート、カットというてるだけです。照明変えるだけでも2時間もかかってたから、やることないので川で釣りしてました」と撮影の日々を語っており、どうやら現場はお気楽ムードだった様子。そののほほんとした雰囲気が映画の世界にも反映され、笑って和める感動作になっている。

『島田洋七の佐賀のがばいばあちゃん』は、4月25日(土)より東京銀座シネパトス先行、5月全国順次ロードショー。

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2009/04/27 6:01

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