『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』は映画に引けを取らない傑作ドラマだ

キャメロン

【スーパー!ドラマTV】映画『ターミネーター2』(以下『T2』と略す)の正統なる続編であるテレビシリーズ『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』が、スーパー!ドラマTVより6月17日(水)22:00から日本初放送スタートとなる。これは映画『ターミネーター』の大ファンだという人には絶対オススメだ。

サラ・コナーのイメージが変わりすぎた(なぜか黒髪のセクシー美女になっちゃってます)のにはびっくりしたが、すぐに慣れた。15歳に成長したジョン・コナーがサラ・コナーと現代のロサンゼルスにタイムスリップして繰り広げる人間とロボットの戦争ドラマ。映画『ターミネーター』の世界をすごく大事にしたテレビシリーズになっていて、まっとうな続編を作ろうと全力投球しているところに、映画『ターミネーター』ファンの僕としては本当に嬉しくなった。

若きカイル・リースなど、映画の登場人物たちが次々と登場し、『T2』のシーンが新キャストで再現されるなど、ストーリーは完全に『T2』とリンクしている。お金をかけて、現代シーンも未来シーンも、映画の世界観を削がないよう、丹念にその世界を膨らまして構築していった感じだ。未来シーンの荒んだ雰囲気など、結構ゾクゾクするものがある。

他のテレビシリーズにありがちな1話完結ものではなく、全話が繋がっているので、1話のテンポがかなり早い。映画では2時間で描かれていたストーリーが、このテレビシリーズでは何時間も時間をかけて、たっぷりと描かれているので、壮大な戦争ドラマを見ているような気分になる。

サラ・コナー役は、『300(スリーハンドレッド)』で王妃役を演じたレナ・ヘディ。彼女のモノローグナレーションは映画『T2』のサラ・コナーの雰囲気そのまんま。見る前に僕が感じていた不安は一気に吹き飛んだ。狂言回しとしての役割と、ジョンを溺愛するママっぷりが見事に表現できてると思う。

ジョン・コナー役はトーマス・デッカー。僕はパッと見たとき、すぐに『HEROES』に出ていた俳優だとわかった。この子は『HEROES』で僕の一番好きなキャラだったんだけど、『HEROES』ではいつの間にか出番がなくなってがっかりしていたところだった。なんだ、こんなところで大出世していたのか! 優しく純粋で、好奇心に溢れ、向こう見ず。複雑な悩みも持ってそうな少年である。エドワード・ファーロングの面影もあり、まさにジョン・コナーのイメージ像にぴったりだ。最初は頼りないけど、ストーリーが進むにつれて彼の精神も逞しくなっていくので、僕はこのシリーズの主役はジョンと解釈している。

『T2』以来、”味方のターミネーター”が定着したが、このテレビシリーズでは、なんと女性のターミネーターが味方となる。「なんだ、女かよ」と、作品を見る前、僕は嫌ぁな気分がしたが、実際作品を見てみると、これが女性以外考えられなくなった。ストーリー上も女性という設定が欠かせず、大きな意味を持ってくる。この子の名前が「キャメロン」っていうんだけど、スタイルが無茶苦茶可愛い子で、本当いい役者を見つけてきたもんだ。僕のイチオシの女優さんである。

あと一人、すごく味のある登場人物がいる。第1話からサラ・コナーの事件を追い続けるFBIの黒人捜査官である。こいつが「ジェームズ」って奴で、最初出て来たときから何か物凄い親近感がわいた男である。サラ・コナーの事件にやたらと興味を持っていて、だんだんとスカイネットの真相に近づいていくが、彼のような一般人がスカイネットという存在を信じるまでに至る経過が興味深く、彼が場面に出て来るたびに妙に嬉しくなってくる。つい応援しながら見てしまうキャラである。

気になったのが『ターミネーター3』の存在。テレビシリーズを見るほどに、どんどん『T3』との辻褄が合わなくなっていくのだ。もう『T3』は無かったことにしたとしか思えないわけ。未来は変わるってことか? 今年公開される『ターミネーター4』ともどうもつながりがないらしい。あくまで『T2』の続編として一つの時間軸として鑑賞するのが正解のようだが、『ターミネーター4』の前夜祭としてその雰囲気を楽しむのも一興だろう。

余談だが、ターミネーターの怖さは、命令された任務を絶対に諦めないこと。逆に僕は子供の頃「もしサラ・コナーを殺したら、ターミネーターはその後どうするんだろう」と考えたことがあった。そんな疑問もこのテレビシリーズで解決した。このシリーズでは、異なる任務をプログラムされた様々なターミネーターが登場するが、中には任務を終えたターミネーターも出てくる。任務を終えた場合、ターミネーターは「待機モード」に入り、機能が停止してスリープ状態になるのだ。この辺の細かい世界設定まで、よく考えられているから、映画『ターミネーター』のファンとしては本当に嬉しい限りである。

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2009/04/20 1:59

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