伊藤淳史率いるロックバンド<逆鱗>が堂々デビュー
【ショウゲート】3月1日(日)、渋谷HMVにて、ロックバンド<逆鱗>のデビューを記念してトークショーが行われ、<逆鱗>のメンバーと、バンドのプロデュースを担当した斉藤和義さんが登壇しました。
<逆鱗>とは、映画『フィッシュストーリー』の中に登場するバンド。メンバーは、伊藤淳史さん(ベース)、高良健吾さん(ヴォーカル)、渋川清彦さん(ドラム)、大川内利充さん(ギター)の4人。大川内さんはプロのミュージシャンですが、他のメンバーは音楽経験ゼロの役者たち。映画のために訓練し、映画では一切吹き替えなしで演奏しています。撮影中も、毎日4人で飲みに行っては演奏のことについて語り合っていたそうで、まるで本当にバンドのような仲だったといいます。この架空のバンドが、このたび映画の中から飛び出して、めでたくCDデビューを飾ることができました。
<逆鱗>のバンドリーダーである伊藤淳史さんは、この映画で初めてベースに触ったといいます。「何もかもが初めてでした。斉藤さんがプロデュースした曲に負けないバンドになれるよう練習しました」、「HMVってCD屋さんじゃないですか。映画館で挨拶したことはありますが、CD屋さんで挨拶するのは初めて。もう何もかもが初めてづくしです」と話していましたが、大川内さんがいうには伊藤さんは「最ものみこみが良かった」とのこと。斉藤さんからも「2ヶ月後に見に行ったら、自分の作った曲を完コピしてて驚いた」、「今ある普通のパンクバンドよりもパンクっぽい。というか本物のパンクです」とお墨付きをもらっていました。
伊藤さんが「気合いを入れました」と言う一発録りのシーンは、映画の中でも最高のワンシーンといえるものです。「今回は映画ではなく、バンド活動をやっている気分でした。バンド活動の中に映画があったみたいな感じです。そこがかえって良かったのだと思います」と説明する伊藤さんは、映画の後、実際にベースとアンプを購入したそうで、今では趣味でベースを弾いてミュージシャン気分を楽しんでいるのだとか。
ヴォーカルに初挑戦した高良健吾さんは、「俺ミュージシャンじゃねえし、と思ったら開き直りました。とにかく演奏中は恥ずかしがらずに歌うよう心がけました」と話していました。映画については「映画館で見ないと高いレベルのものは伝わらないと思います。この映画はテレビでは伝わらないので、ぜひ大きなスクリーンで見ていただきたいです」とPRしていました。
MCから「このバンドは現代も受け入れられるのでしょうか?」と質問された斉藤さんは、「うーん、どうなんでしょうね。映画の設定としては売れないバンドということなんで、そしたらそしたで(会場爆笑)。でも、なんというか、曲としては、このメンバーがやっていることは面白いし、あまりこの時代にないバンドだと個人的に思ってるんで。売れる売れないは運みたいなもんですから、世の中にお任せですけど、えっと、歌番にも出たからね。がんばってください」と、いたってマイペースな返答をしていました。
この日は、花束ゲストとして、多部未華子さんが登場し、斉藤和義さんに綺麗な花束を贈りました。多部さんも映画に出演していまして、描かれる4つの時代のうちの現代編で主演をしています。
可愛らしい『フィッシュストーリー』のTシャツが似合う多部さんは「役者として知り合った人たちがCDを出して、歌番組に出て、すごいなあと思うし、本当にバンドっぽくて、仲が良さそうでうらやましいなと思いました。テーマ曲もかっこいいの一言です!」、「映画は何も知識を入れずに見るのが一番楽しいと思うので、ただ逆鱗の曲が聴けるんだという気持ちだけで見に来ていただければと思います」と話していました。
最後に伊藤さんは、「キャストの皆さんが豪華です。色々な時代で、色々な人が出てきます。森山未來君のアクションはすごいし、濱田岳君は絶対こういう大学生いたなと思えるし、見終わった後、さわやかな気分で映画館を出ていただける映画です」とまとめました。『フィッシュストーリー』は、まさに素晴らしき哉、人生!と叫びたくなるような、そんな希望に満ちあふれた大作になっています。公開は3月20日(金・祝)から。
2009/03/02 5:34