『トロピック・サンダー』ベン・スティラー緊急来日

ベン・スティラー

【パラマウント】11月20日(木)、『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』の公開直前にベン・スティラー監督が緊急来日。有楽町のホテルにて記者会見を行いました。

ベン・スティラー監督は今スケジュールがパンパンに埋まっていて、本来なら来日すらできない状況だったのですが、どうしてもということで急きょ来てくれました! スティラー監督曰く「コメディは外国ではなかなか受けない。文化の違いもあるし、外国語に翻訳するのが難しいからね。僕はその橋渡しになろうと思って日本に来たんだ」とのこと。いやぁ、ありがたい。

『トロピック・サンダー』は、映画撮影の裏側を描いた内幕もので、「やりすぎ」という声がでるほど、とことん映画をからかっています。『ランボー』、『プラトーン』など名作のパロディも満載。自分たち俳優のことまで自虐的に演じているから見逃せません。もちろん映画会社のお偉い方もとことんコケにしてくれます。

主演はベン・スティラー、ジャック・ブラック、ロバート・ダウ二ーJr.です。それぞれアクション俳優、コメディ俳優、ドラマ俳優とまったくジャンルはバラバラです。今最も熱い俳優といえば、ダウ二ーJr.、ジャック・ブラック、誰しもこの2人の名前を一番にあげるところですが、今を輝くこの2人を口説き落した秘訣についてスティラー監督に聞いてみると「金さ」と即答されて、会場は大爆笑でした。冗談はさておき「俳優というものは、自分で面白そうだと思ったら参加するものなんだ」ということです。なるほど。本作には主演の3人の他にも、あの人もこの人も、そしてあの人まで!こっそりカメオ出演しています。誰が出ていたか当てながら見るのも面白いですよ。

この映画の大きな見どころのひとつは、本編の前に始まる予告編。実はこの予告編からすでに本編が始まっています。この偽の映画の予告があまりにもうまくできすぎていて、本当の予告かと思ったお客さんも多かったのでは。この偽映画には公式ホームページもちゃんとある凝りようです。スティラー監督は「一本の映画で複数の映画会社のロゴマークが出てくる映画はこれが史上初だろうね」と自信たっぷりに話していました。

今回スティラー監督は同時に監督・脚本・主演・製作と何役もこなしています。これについては「僕は監督としての仕事が一番楽しかった。子供の時から監督になりたかったからね。監督は最初から最後まで映画に関われるから好きだ。それに監督には年齢が関係ないから何年でもできる」と話していましたが、本作で主演も兼ねたことについての苦労も当然あって、「カメラの前と後ろには同時にいられない。僕が演じている後ろで誰かが変なことをやっていても僕にはわからないんだ。だから後で撮影した映像を見てから気付いたときにはもう手遅れだったりする」、「一番大変だったのは手が破裂するシーンだ。僕の本当の手は後ろで縛っていたから手で指示ができなくて、自分のセリフで”カット”と言ったら監督としての僕が”カット”と言ったのだと勘違いされてね」と振り返りました。

映画の中でベン・スティラーの役はオスカー受賞を狙う役でしたが、当人はというと「ロバート・ダウニーJr.は今年度のアカデミー賞を有力視されてるけど、本当に彼はピーター・セラーズの域に達していて素晴らしかったと思う。僕自身は、この映画を作ったことでオスカーを取るチャンスがなくなっただろうね。アカデミー賞にもコメディを認めてもらえるようになればいいけど、僕がコメディを作るのは自分のためでもあり、観客のためでもあるから、これからもコメディを撮っていきたいと思う」。さすがです。そしてこの映画は見事3週連続で興行成績1位に輝きました。

ルー大柴とベン・スティラー
なお、この日のイベントでは、ルー大柴さんが応援にかけつけてくれました。ルーさんは「身をパウダーにして働く」など、徹夜で考えたという新しいルー語で止めどなくスティラー監督をベタ褒めしました。ちゃんとその気持ちは相手に伝わっていて、「僕はルーに賄賂は払ってないからね」とジョークを飛ばすかけあいも見られました。

トロピック・サンダー/史上最低の作戦』は、11月22日(土)より丸の内ピカデリー1他全国ロードショー。

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2008/11/24 2:26

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