ヤング@ハート

ヤング@ハート

【ピックス】以前シネマガでも試写会プレゼントで紹介した『ヤング@ハート』が現在公開中です。

おじいちゃんおばあちゃんたちが元気良くロックを歌う実在のグループ<ヤング@ハート>の活動を捉えたドキュメンタリー映画です。僕も先日見てみたんですけど、思っていた映画とだいぶ違ったので、良い意味で裏切られました。全米で公開されるや、めきめき話題にのって上映館が増えていったのも納得できる、とてもいい映画でした。

おじいちゃんおばあちゃんが元気良くロックを歌って、それを見て元気をわけてもらいましょうやみたいな内容の映画かと思っていたら、それだけじゃなくて、本当はもっと深い人間普遍のテーマを描いた作品なのだと思いました。

人間、老いることは避けられません。誰しも年をとっていきます。今は若いと思っていても、そのうち若い人達から年寄りとして見られるようになります。それは怖いことでもありますが、この映画からは、そういった怖ささえ感じました。

この映画に出てくるお年寄りたちは、本当にヨボヨボで、ろくに歩けなかったり、酸素ボンベをつけてたり、いつ倒れてもおかしくない感じなんです。歌の先生が鬼みたいに厳しい人で(根は優しいですが)、平気で「みんなまだ生きてるよね」みたいなことを言ってくれます。老人たちももう開き直って歌ってます。みんなロックについてまったく知識がなかったりして、じゃあなぜ歌うのかと質問したら、「自分の視野を広げるためさ」と答えたりしてて、まだこの年になっても人間として成長していこうとしている姿勢には見習うべきところがあります。

しかし歌がひどく下手なんですよ。あえてマニアックな曲を選曲してるところが面白いのですが、練習では同じところで失敗してばかりで、先生が「先が思いやられる」と嘆いているのも理解できます。まあ、ロックなんて下手でもいいからガンガンやっちゃおうという音楽ですから、実際のコンサートのシーンは下手なりにじんときました。刑務所の囚人たちに歌を聞かせるシーンなど、なかなか泣かせます。

あと、作中いくつかおじいちゃんおばあちゃんたちを主役にミュージッククリップが流れるのですが、これは本気で作っていて目茶苦茶かっこよかったです。ミュージッククリップの撮影の間だけはみんなに全身の気合いを入れてがんばってもらった様がひしひしと伝わって来ました。

練習中、メンバーが死んでいくのもショッキングでした。彼らはメンバーの死についても当たり前のように受け入れ体勢ができているし、死んでもジョークを言える余裕があったりして、見終わった後、なんだか人の人生について、思わず真面目に考えてしまう映画になっていました。

(C)2008 Walker George Films (Young at Heart) Limited.

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2008/11/09 23:57

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