『ブラインドネス』メイレレス監督「黒澤の気分」
【ギャガ】8月14日(木)有楽町、丸の内ピカデリー2にて、『ブラインドネス』の完成披露試写会が行われ、フェルナンド・メイレレス監督と、出演の伊勢谷友介さん、木村佳乃さんが登壇し、舞台挨拶をしました。
『ブラインドネス』は、謎の伝染病によって世界中の人たちの目が見えなくなり、人間の本性が露わになるというジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ主演のパニック・サスペンス映画。ハイキーで描かれる独特の映像感覚が鮮烈です。今年のカンヌ映画祭ではコンペティション部門に出品、オープニング上映され、伊勢谷さんと木村さんがカンヌ入りしたことでも大きな話題になりました。
原作「白い闇」には日本人は出てきませんが、あえて日本人の2人を起用したことについて監督は「これは特定の地域や人種を描いたものではなく、人類の物語だから、白人も黒人もラテン人もアジア人も出演させようと考えていました。夫婦役にはエレガントな人をと思っていたのですが、伊勢谷さんと木村さんに実際に会ったとき、通じ合うものを感じました」と語りました。
伊勢谷さんが演じる役は<最初に失明した男>(この映画の登場人物には誰一人として役名がないのです)という重要な役。木村さんとのストーリーは伊勢谷さんが書いたもので、伊勢谷さんは「憧れの監督の脚本に関われて光栄」と挨拶しました。それを受けたメイレレス監督は「日本語の発音はとても美しい。私は2人を演出していると、まるで黒澤明になったような気分でした」と言って会場の笑いを誘いました。
木村さんはジュリアン・ムーアを「強くて優しくて、同じ女性として魅力を感じます。彼女と共演できたことは自分の財産になりました」と絶賛。「カメラが回っていないときにはよく女性同士でおしゃべりをしました」とハリウッドスターとの共演を楽しんでいたようでした。
『ブラインドネス』は、11月丸の内ピカデリー2他全国松竹系にてロードショー。
2008/08/15 9:46