サーチャーズ2.0
Searchers 2.0
2007/アメリカ/アップリンク/96分
出演:デル・ザモラ エド・パンシューロ ジャクリン・ジョネット サイ・リチャードソン
監督:アレックス・コックス
製作総指揮:ロジャー・コーマン
http://www.uplink.co.jp/searchers/
「まだ、死ねない。奴を捜し出すまでは…」
ALEX COX IS BACK! アレックス・コックスが帰ってきた!
パンキッシュなカルトムービーで全世界の映画マニアを虜にしてきた鬼才・アレックス・コックスが帰ってきた!インディペンデントで自由な実験精神にこだわり続けるアレックス・コックスの最新作は、「B級映画の帝王」ロジャー・コーマンと手を組み、彼らが愛する数々の映画にオマージュを捧げるという大義名分の元に、ハリウッド映画産業からアメリカ社会までをも痛烈に批判する痛快な荒野の復讐劇だ。タランティーノのガレージ感覚、マイケル・ムーアが持つ批評眼の先駆け的存在アレックス・コックス。5年の沈黙を破り、新たな代表作がついにベールを脱ぐ!
パンクムービーの鬼才アレックス・コックスと
B級映画の帝王ロジャー・コーマンが作りあげたオフビート・コメディ
『サーチャーズ2.0』の企画はアレックス・コックスの公式HPサイト「alexcox.com」の中で発表され、出資を募った。そこにはいくつかの金銭的条件とともに一風変わった条件が、書き記してあった。「俺(アレックス・コックス)の代りにテリー・ギリアムを起用しないこと」「キャストとクルーは全員が同じ給与をもらい、利益の一部をともに分け合うこと」というものだった。インディペンデントスピリッツ溢れる方法で始動したこの作品に製作陣も個性豊かな面々が集結した。エグゼクティブ・プロデューサーに超低予算&早撮りで「B級映画の帝王」の異名をもつロジャー・コーマン、プロデューサーにロジャー・コーマンの製作担当でキャリアをスタートさせ、後に『ロボコップ』『スターシップ・トゥルーパーズ』などのヒット作を製作したジョン・デイビソン。5年の沈黙を破り動き始めたアレックス・コックスと映画界の鬼才たちが手を組み、この映画は完成した。
ジョン・フォードの名作『捜索者:THE SEARCHERS』のロケ地で撮影された
アレックス・コックス版『サーチャーズ2.0』
舞台はアメリカ、南カルフォルニアから、そびえたつアリゾナの赤い絶壁 “モニュメント・バレー”。復讐の旅を続ける中年男たちのオタクなやり取りは痛快なオフビート・コメディでもあり、刹那的で反体制的な物語はアメリカン・ニューシネマを彷彿ともさせる。
子役時代に残虐な脚本家に虐待されたトラウマをもつB級西部劇の役者がロサンジェルスからアリゾナの荒野へと復讐の旅に出る。名匠ジョン・フォード監督の映画『捜索者』で有名なロケ地“モニュメント・バレー”で繰り広げられる驚愕のラストシーンは『続・夕陽のガンマン』を彷彿とさせつつも全く異なる、映画史上最狂の死闘へと発展していく…。
Prodution Note プロダクションノート
『サーチャーズ2.0』の企画はアレックス・コックスの公式HPサイト「alexcox.com」の中で正式に発表され、出資を募った。そこにはいくつかの金銭的条件とともに一風変わった条件も書き記してあった。 “俺(アレックス・コックス)の代りにテリー・ギリアムを起用しないこと”“キャストとクルーは全員が同じ給与をもらい、利益の一部をともに分け合う”というものだった。
ある大物プロデューサーはこの脚本を読み「この映画を作ろう。予算は350万ドルから500万ドルで、ビル・マーレイとチーチ・マリンをキャスティングする」と提案してきた。しかしアレックス・コックスは「ハリウッドに住む億万長者の俳優を2人キャスティングし、ホームレスのふりをさせても腹が立つだけだ」とその話を断った。「低予算で作る映画の大きな長所は、監督が俳優やクルーと直接仕事ができることである。金額的に余裕のある予算が組める場合には、必ず妥協しなくてはならない点が出てくる。それがキャスティングだ」とも語った。
インディペンデント製作にこだわったこと、名匠ジョン・フォードの『捜索者-The Searchers』のロケ地モニュメント・バレーで撮影しマカロニ・ウエスタンの匂いをつけたことには意図があったとアレックス・コックスは語る。「映像作家は伝えるべきストーリーのためにジャンルを利用することが出来る。僕が関心を持っているのは我々欧米の文化が資源を巡り資源大国と交戦状態に入っているということなんだ。それが契機でアメリカはイラク戦争を起こし、現地に居座ってしまった。だからそういった主題の映画をハリウッドで作ることは不可能だ。だから問題を議論できるようなストーリーをある<ジャンル>の中で描くことにした。ジャンル映画ならそういった表現も許される。観客を楽しませている限り、少々の政治的メッセージや議論は許されるんだ」
また本作でマカロニ・ウエスタンの影響が顕著に見られるのは対決の場面である。
「『続・夕陽のガンマン』では3人の男のいわばアパルトヘイト(分離)が描かれている。この映画は21世紀の現代であるので女性も入れた4人の間のアパルトヘイトを描こうと思ったんだ。もっと面白くなるからね。それに大勢が殺されるようなバイオレントな映画も好きだけれど誰も殺されないように作るのも面白いだろうなと思ったんだ。ひどい目にあってもどうにかして全員が生き残る、そういう映画だ」とアレックス・コックスは語る。
撮影は2006年12月5日に開始された。クルーは総勢わずか10名。車両もたったの4台だった。撮影機材はアレックス・コックスが無償で借りてきたカメラ(ソニーZ1-U)で行われた。撮影は予定されていた15日間で無事終了した。これまでのアレックス・コックス作品の中で最短かつ最高の撮影であった。
2009年1月10日(土)より、渋谷アップリンクX、吉祥寺バウスシアター、横浜ジャック&ベティにてロードショー