ワン・ミス・コール
One Missed Call
2008/アメリカ/角川
出演:エドワード・バーンズ シャニン・ソサモン
監督:エリック・ヴァレット
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【CALL.1】
あの『着信アリ』がハリウッドで恐ろしい突然変異を遂げた!!
オリジナル版『着信アリ』は、2004年に日本で劇場公開され大ヒットを記録し、テレビシリーズや続編を生むなど伝説的存在となった。その<携帯電話+呪い>の着想はハリウッドをも魅了し、全ての面でパワーアップした、リ・イマジネーション版=最恐のハリウッド・バージョンが、今度は『着信アリ』誕生の地・日本を襲う!
心理学専攻の女子大生ベス・レイモンドは、数日のあいだにふたりの友人の怪死を目撃する。一方、妹の変死をきっかけにその謎を探るジャック・アンドリュース刑事は、やがてベスと出会う。死んだ彼らに共通した事実、それは、死の数日前に携帯電話に着信を受け、留守電に残された自らの断末魔を聞いていたことだ。そして同じ叫びをあげて死んでいった。やっと手がかりをつかんだ彼らだが、まもなくベス自身が<死の予告=呪いの着信>を受けてしまう・・・。
本作は、物語の展開やテーマ性はオリジナル版を尊重しつつも、恐ろしい怨念が生まれた背景とラストに大胆な脚色が加わり、よりエンタテインメント溢れる作品に仕上がっている。しかも、呪いの着信を受け取った者だけが見える幻想怪奇な映像が盛り込まれ、その恐怖は更に倍加された。
全ては、オリジナル版を超える作品を創造しようと集まった優秀なスタッフの成果でもある。数々の映画賞を受賞してきたフランス人監督エリック・ヴァレットをはじめ、脚本には脚本家兼アメリカ探偵作家クラブ賞受賞のサスペンス作家で、クリント・イーストウッドも惚れ込んだアンドリュー・クレイヴンが、撮影監督には今夏公開の超話題作『ランボー/最後の戦場』(08)のグレン・マクファーソンが務め、音楽には『ラン・ローラ・ラン』(98)や『パフューム ある人殺しの物語』(06)などで国際的に活躍するラインホルト・ハイル&ジョニー・クリメックが出色の恐怖旋律を奏でている。
【CALL.2】
もはやケータイが《死の凶器》となった!!
オリジナル版『着信アリ』の最大の魅力は、他人と連絡を取り合う最も身近で<現代最高のツール>といえる携帯電話を、逆に呪いが伝染する<現代最恐のツール>に変えてしまったところにある。
携帯電話のメモリー・アドレスから次々と広がり、その呪いを阻止することはかなり難しい。では携帯電話を持たなければいいじゃないか? とお思いだろうが、今や携帯電話は一人一台の時代を迎え、携帯電話を手離すことができない依存症の人たちまでいる。それほど携帯電話は日常生活に密着し、皮肉にも携帯電話がなければ日常生活に支障をきたす時代になってしまった。
ハリウッド版を含めた『着信アリ』の世界には、恐怖スリラーとしてのエンタテインメント性はもちろんのこと、携帯電話というキーワードから<現代社会と人間の関係性>をも考えさせる魅力が盛り込まれている。
【CALL.3】
驚愕! “呪い”を視覚化!!
恐怖映像の猛襲!!
フランス人監督エリック・ヴァレットは、オリジナル版『着信アリ』の魅力を抽出しつつ、アメリカ映画として世界に通用する映像を盛り込むことを考えた。そこで、死の着信コールを受けた者の精神的不安と恐ろしい呪いの力を視覚化しようと、オリジナル版にはない幻想怪奇な映像を創造した。
その映像とは……ありふれた日常空間ながら、突如、木の幹を大きな虫が這っていたり、顔だけが異様に白い人間たちが現われる。現実とも幻想とも思える彼らの顔が変形したり歪んだり、まるでシュールな絵画のような雰囲気さえ醸し出す。監督ヴァレットのヨーロピアン感覚が発揮された秀逸な場面といえるだろう。実はこの映像は、単純に恐怖を醸成するだけの場面ではなく、ドラマにも関わってくる要素の一つになっている。
【CALL.4】
若手の実力派シャニン・ソサモン。
共演は安定した演技が定評のエド・バーンズ。
そして、デーブ・スペクターがハリウッド・デビュー!!
ハリウッド版に出演したのは、個性的な実力派揃い。友だちが次々と変死し、死の着信コールを受けたことの恐怖、そして自らのトラウマとも対峙しなければならない女子大生ベス役を演じるのは、気鋭の監督やスター俳優と組んできたシャニン・ソサモン。ブライアン・ヘルゲランド監督の『ROCK YOU![ロック・ユー!]』(01)と『悪霊喰』(03)で今年一月に急死したヒース・レジャーと共演して新鮮な魅力を披露し、鬼才ロジャー・エイヴァリーに抜擢されて、等身大の若者たちの群像劇『ルールズ・オブ・アトラクション』(02)でその存在感をアピール。またスタイリッシュなホラー『カタコンベ』(07)では神経症のヒロインを繊細に表現し観客を圧倒した。
妹の変死事件の謎を追い、ベスの死を阻止しようと彼女と一緒に奔走する刑事ジャック・アンドリュース役には、スピルバーグ監督の『プライベート・ライアン』(98)、アンジェリーナ・ジョリー主演の『ブロンド・ライフ』(02)などに出演しつつ、数々の映画賞を受賞した『マクマレン兄弟』(95)、キャメロン・ディアスと共演したコメディ『彼女は最高』(96)などで監督としても異才を放つエド・バーンズがあたった。
主演2人を脇で盛り上げるのが、魅力溢れる共演陣。死の着信コールを受けた、ベスの親友テイラー役には、ガエル・ガルシア・ベルナルと共演の『アマロ神父の罪』(02)、リチャード・リンクレイター監督の『ファーストフード・ネイション』(06)などのアナ・クラウディア・タランコン。タイラーを自分のTV番組「アメリカの奇跡」に出演させようとするプロデューサーのテッド役には、世界中に熱狂的なカルト・ファンを生んだTVシリーズ『ツイン・ピークス』(90〜91)や『24 TWENTY FOUR シーズン5』(06)などの渋い演技派レイ・ワイズがあたっている。
そして日本のTV番組で辛口コメンテーターとして、または駄洒落を連発するアメリカ人として大活躍するデーブ・スペクターが、TV番組「アメリカの奇跡」のスタッフ役でハリウッド・デビュー!! 我々がTVで見る普段のデーブとは違う、クールな演技を披露している。