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赤壁
2008/アメリカ・中国・日本・台湾・韓国/東宝東和=エイベックス・エンタテインメント/145分
出演:トニー・レオン 金城武 チャン・フォンイー チャン・チェン ヴィッキー・チャオ フー・ジュン 中村獅童 リン・チーリン 
監督:ジョン・ウー
製作:ジョン・ウー、テレンス・チャン
脚本:ジョン・ウー、カン・チャン、コー・ジェン、シン・ハーユ
アクション撮影:コリー・ユン
音楽:岩代太郎
http://redcliff.jp/

偏差値:58.6 レビューを書く 解説

赤壁の戦い 序章 [80点] [参考:1]

「三国志」は横山光輝のマンガでしか読んだことがないが、それでも全60巻にわたる大長編である。

これを2部作5時間で映画化するのは到底不可能であり、物語前半のクライマックスである「赤壁の戦い」をテーマにしたのは当然の選択であろう。

Part1の本作では「赤壁の戦い」に至るまでの蜀と呉の同盟と魏との戦いを描いており「赤壁の戦い」はPart2に持ち越しとなっている。

戦闘場面は長すぎるほど丁寧に描いており、武力だけではなく知略を使った戦いを堪能出来るが、ドラマ部分が意外と淡白なため、全体的にあまり重厚さを感じない。

重厚な時代絵巻はPart2に期待するとして、主役が蜀の軍師・諸葛亮孔明(金城武が結構似合ってる)と呉の知将・周瑜(トニー・レオンが好演)の2人であまりアクが強くないため、敵役の魏の曹操がどのような悪役ぶりを見せてくれるかが後半の盛り上がりの鍵になるであろう。

「ダークナイト」のジョーカーの例にもあるとおりこの手の作品は悪役が強くて悪いほど面白くなるものである。

残念なのは「三国志」は劉備のもとに関羽や張飛など数々の武将が集う過程が面白いのだが、本作ではほとんどの武将が揃った状態で物語が始まる点と、彼らが完全に脇役に回っている点で、そのため「三国志」好きな人は物足りないと思うかも知れない。

しかし「三国志」を全く知らない者でも物語になじみやすくするため、冒頭で時代背景のナレーションを入れ、登場人物には名前を表示するなどの工夫がされていて、本作にかかわらず登場人物の役名を覚えきれない私はなかなかいいのではないかと感じた。

本当は字幕版を観たかったが開始時間の都合で吹替版を観ることとなり、始まるまでは声優に不安があったものの、ちゃんとした声優陣の吹替えであったため気持ちよく画面に集中できた。

金城武の吹替えが本人でなかったのは残念であるが、中村獅童は本人が吹替えており、トニー・レオンを吹替えた山寺宏一はさすがに現代の声優第一人者と思える上手さであった。

本作はPart2と合わせて1つの作品であり、本作のみで評価をすることは難しいため、早くPart2を観たいものである。

「我ら天に誓う!生まれし時は違えども、死す時は同じ日同じ時を願わん!」
これは劉備、関羽、張飛が義兄弟の契りを結ぶときに言った「桃園の誓い」であるが「赤壁の戦い」の遥か前のことであり、Part2では使ってくれないだろうなぁ、残念!

2008/11/11 22:35

kira

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