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キング・コング

King Kong
1933/アメリカ/100分
出演:フェイ・レイ ロバート・アームストロング フランク・ライチャー 

製作・監督:メリアン・C・クーパー、アーネスト・B・シェードサック
製作総指揮:デヴィッド・O・セルズニック
特撮:ウィリス・オブライエン
音楽:マックス・スタイナー

偏差値:59.4 レビューを書く

何百万という失業者が勇気付けられた [88点]

僕がニューヨークを旅したとき、あちこちにキング・コングの姿を見掛けました。キング・コングって本当にニューヨーカーに愛されてるんだなと思いました。僕の一週間のニューヨークの旅で観光した場所でも、断トツで一番心に残った場所はエンパイアステートビルでした。現在NYで最も高い建造物です。当時不況で何百万という失業者にあふれていたNYにとって、エンパイアステートビルはまさに夢の象徴だったといえるでしょう。アメリカ人がビルの完成に大いに勇気付けられた時代に作られた映画がこの「キング・コング」なのです。

70年も前にこんなにすごい映画が出来てたなんて驚きです。アメリカではホラー映画として分類されてますけど、「ロスト・ワールド」と共に怪獣映画の原点として今でも語り草になる名作です。

とにかくコングの動きに驚きますね。ただ動かすんじゃなくて、ディテールまでこだわった動きに感動しました。ここまでこだわるかって感じです。

例えばコングが敵に殴り掛るとしたら、単にパンチを一発浴びせるだけでもそれでいいのですが、この映画の場合、それだけでは終わりません。さらにプラスアルファの細かい動きを見せて驚かせてくれます。

谷からツルを伝って逃げようとするアン・ダローとジャック・ドリスコル。そのツルをコングがグイグイと引っ張り上げるところは凄いと思いました。

他にも木にぶらさがっている人間たちを木を揺さぶって谷底に落としたり、人形とわかってるからこそ、この大胆なアニメーションに驚くわけです。

恐竜との対決シーンは何度見ても惚れ惚れしますね。トドメのさしかたがかっこいいです。恐竜の顎を引き裂いて息の根を止めます。こんな殺し方を見たのは生まれて初めてでした。70年の歳月を経てもいまだに衝撃的ですね。死んだ恐竜の顎を触るコングの動作が素晴らしすぎます。特撮ファンなら必ず通らなければならない道ですよ。

2009/05/22 09:57

シネマガ管理人

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