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橋の上の娘

La Fille Sur Le Pont
1999/フランス/90分
出演:ヴァネッサ・パラディ ダニエル・オートゥイユ ニコラ・ドナト イザベル・プティ・ジャック ナターシャ・ソリニャック イザベル・スパッド 
監督:パトリス・ルコント
製作:クリスチャン・フェシュネール
製作総指揮:エルヴェ・トリュフォー
脚本:セルジュ・フリードマン
撮影:ジャン・マリー・ドルージュ
編集:ジョエル・アッシュ

(データベース登録者:frost

偏差値:59.0 レビューを書く

映画における最高のラブシーン [85点] [参考:2]

すぐ男に惚れていつも捨てられるアデル。橋の上から身投げしようとしていた彼女をたまたま助ける通りすがりのナイフ投げ芸人ガボール。彼のほうも人生まったくついてない。

人生に疲れて、なんの夢も希望もない二人が、ナイフ投げとその”的”として行動しはじめたとたん万事のぼり調子。興行も賭け事も絶好調な二人の、ストレートに愛を語る以上に鮮やかな恋愛映画。

キスすらしない二人ですが、ナイフ投げこそが二人だけの愛の行為。鉄道の廃トンネルでナイフを投げるシーンはすばらしく官能的。真剣なまなざしでナイフを投げるオートゥイユと一本ごとに身もだえるパラディ、映画における最高のラブシーンのひとつと認定します。

主演二人の魅力にあふれる作品ですが、特にドロップアウトすれすれのガボール(ダニエル・オートゥイユ)の風情が良い。落ちぶれているのに、ちょっと粋で哲学的。こういうキャラはやはりフランス人に限ります。アメリカ人だと現実的過ぎるし、日本人ではウェットすぎ。

2008/05/19 00:03

frost

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