シモーヌ
Simone
2002/アメリカ/ギャガ=ヒューマックス
出演:アル・パチーノ レイチェル・ロバーツ ウィノナ・ライダー キャサリン・キーナー
監督:アンドリュー・ニコル
(データベース登録者:ちりつも)
偏差値:56.2 レビューを書く
未来はこうなる? [75点] [参考:1]
※ネタバレを含むレビューです。
物語の舞台は近未来の映画会社。アル・パチーノ扮するタランスキーは、落ち目の映画監督。
タランスキーにとって久しぶりの作品を手がけていたが、完成間近になって主演女優(ウィノナ・ライダー)が超わがままな女優で降板してしまう。
困ったタランスキーだったが、ひょんなことからCG俳優を作り上げる画期的な専用ソフトを手に入れて、そのソフトを使って自分が思う美の究極のCG女優(シモーヌ)を創りあげて映画を完成させる。
映画は大ヒット!世界中がCG女優シモーヌの美しさの虜になってしまい、もはやタランスキーはシモーヌが実在の女優ではないことをいえる状態ではなくなってしまう、どうにかタランスキーはシモーヌをひたすらマスコミやファンから隠そうとするが、世間はどうしても実際のシモーヌを人目みたいとテンヤワンヤな大騒動…となる展開。
この作品を作った監督アンドリュー・ニコルって私は大好きなのだ。
「ガタカ」「トゥルーマン・ショー」「ターミナル」でもかかわっているクリエイターであり、着想がすごく斬新で面白い。
「シモーヌ」は多分、「ピグマリオン」を意識して作っているのだろう。(映画のシーンの中にも「ピグマリオン」が出てきたもの。)
シモーヌ役のレイチェル・ロバーツがとても神秘的にバーチャルな不思議な美しさなのだ。
ニコル監督は、この映画の後レイチェル・ロバーツと結婚しちゃったんだもんね。思い入れはすごくあったのだろう。
シモーヌがどこからどこまでがCGなのか?実写なのか?わからないほど、人間ぽくない撮り方だ。
それにしても、こういうCG女優今後、現実にできる可能性は十分にありそうだ。
映画の中では、絶対にわからないものね。
「一人の人間をだますより大勢をだますほうが簡単」と作品の中でタランスキーのいう台詞があるけど、なるほどなぁ…と思った。
そして、ラスト15分くらいのタランスキーの一言一言の台詞がすごく納得できる作品だ。
タランスキーが作ったシモーヌはタランスキー自身だという台詞は、すごく物語りを作る人にとって共感できるのではないだろうか?
だれだって自分の作品を評価してもらいたい!認めて欲しい!とクリエイター(=創造する人)なら切望するもの。
ここんとこのタランスキーの思いはちょっと切なかった。
アル・パチーノ、なかなかコメディでもいけるなぁって思ったし、すごくかわいい人もできるんだなぁって感心しちゃった。
あとニコル監督、けっこうお茶目!"タランスキー"という名前はタランティーノとタルコフスキーを合わせた名だってインタビューでいってる。
お気に入りの監督なのかな?
2008/05/18 21:59
ちりつも
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