Calamari Union
1985/フィンランド/80分
出演:マッティ・ペロンパー プンティ・ヴァルトネン サッケ・ヤルヴェンパー ピルッカ・ペッカ・ペテリウス
監督:アキ・カウリスマキ
撮影:ティモ・サルミネン
編集:アキ・カウリスマキ/ライヤ・タルヴィオ
音楽:カサブランカ・フォックス
監督助手:マルヤーナ・ミュッカネン
録音:ヨウコ・ルッメ
製作マネージャー:ヤッコ・タラスキヴィ
(データベース登録者:frost)
偏差値:59.0 レビューを書く
不思議な感情移入体験 [85点] [参考:1]
フィンランドの奇才アキ・カウリスマキが描く理想郷を目指したサバイバル・ゲーム。登場人物は15人、全員同じ名前でフランク。というところからすでにかなりおかしい。おまけにどいつもこいつも台詞が棒読みで無表情、そしてサングラス。わざわざ登場人物の個性を打ち消しているらしい。
映画は住んでいる町を捨て、思い思いの方法で理想郷エイラを目指すフランクたちの姿を追っていく。彼らは離れたり出会ったり、協力しあったり喧嘩したりしながらゴールをめざす。突拍子もない言動を繰り広げながら旅を続けるフランク達だが、街の人々とやり取りをするうちに、やがて一人また一人と脱落していく。
ストーリーには、やや調子の外れた緊張感が漂い、これが結構面白い。そのうち個性のないはずの彼らに感情移入し始めて、お気に入りのフランクが出来てくるから、あら不思議。ちなみに私の一番のお気に入りは、ヘルシンキ・ホテルのドアマンになってしまったフランク。ちょっと物悲しいギターの弾き語りが印象的だった。
2008/05/16 23:56