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Quantum of Solac
2008/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
出演:ダニエル・クレイグ オルガ・キュリレンコ マチュー・アマルリック ジュディ・デンチ ジェマ・アータートン ジェフリー・ライト 
監督:マーク・フォースター
製作:マイケル・G・ウィルソン、バーバラ・ブロッコリ
脚本:ポール・ハギス、ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド

偏差値:55.3 レビューを書く 解説

新生ボンド後編 [85点]

007映画初となる2部作の後編である。

前作「カジノ・ロワイヤル」のラスト1時間後から始まるため、荒々しいジェームズ・ボンドの性格はそのままで、MI6もM以外の主要メンバーは登場しない。

映画の冒頭は圧倒的なカーチェイスで今度は新型アストンマーチンがぼろぼろにされる。

ダニエル・ボンドは前作と同じように走り跳び敵を追い詰め、証拠の確保の命令も何のその、Mの命令を無視するかのように自分をさえぎる敵をばったばったと始末していく(その時の言い訳がまた面白い。)。

続編とは言いながら前作との違いを見せつけるかのように、今回はカーチェイスの他、ボートによるチェイスそして飛行機によるチェイスがあるなど、アクションは格段にパワーアップしており、前作よりもより派手なアクション映画として楽しめる。

一風変わっているのが本作のボンドガール、カミーユ(オルガ・キュリレンコ)がこれまでのボンドガールと違ってジェームス・ボンドの男の魅力ではなく、同じ復讐心を持つ者として結ばれていることである。

前作で愛するヴェスパーを失ったばかりのボンドが、僅か数日で次の女性の乗り換えるわけにも行かずこのような設定なったのかもしれないが、復讐心で結びついた男と女の設定が新鮮である。

最も驚いたのが本作の敵役ドミニク・グリーン(マチュー・アマルリック)で、この顔どこかで見たような、と思っていたら、昨年「潜水服は蝶の夢を見る」で感動させてくれた主役のジャン=ドミニク・ボビーを演じてた人ではないか、と気づいたときにはあまり役柄の違いにあ然となってしまった。

本作ではついに敵の組織の名前(残念ながらスペクターではないが)が明らかとなったため、次回作ではジェームス・ボンドだけではなくMI6と闇の組織の本格的な戦いが期待できるはずであることより、できることならQやRそしてミス・マニーペニーを復活させてほしいものである。

なお、本作は前作を知っている前提で人物の関係や事件の繋がりが作られているので、本作をこれから観られる方には、まず復習の意味で前作を観てから本作を観ることをお薦めする。その方が本作の面白さが倍増することは確実である。

2009/02/01 21:09

kira

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