ギャルソン!
Garcon!
1983/フランス/102分
出演:イヴ・モンタン ニコール・ガルシア ベルナール・フレッソン マリー・デュボワ
監督:クロード・ソーテ
製作:アラン・サルド
脚本:ジャン・ルー・ダバディ、クロード・ソーテ
撮影:ジャン・ボフェティ
音楽:フィリップ・サルド
(データベース登録者:frost)
偏差値:59.0 レビューを書く
いかにもフランスらしい人間観察映画 [85点] [参考:1]
淡々と一人の老ウェイター(ギャルソン)の日々を追います。
イヴ・モンタン演じるアレックスは60才代前半くらいの設定。20年前に事業に失敗して離婚。それ以来アパートでちょっと屈折した居候ジルベール(ジャック・ヴィルレ)と生活を共にし、中の上くらいのレストランで給仕長として働いています。
普通の人々の日常生活を描くだけで派手な事件がおきるわけでもないこの映画ですが、不思議とすごく面白い。それは、やはりこの初老のウェイターの生き方が心地よいからだと思います。人生の山谷を味わい尽くし、現在は自分サイズで片意地を張ることなく暮らしています。仕事に精通し、恋を忘れず、ちょっと人と距離を置きながらも友人のために本気で怒る男気も残していて、海辺の土地に遊園地をつくるという素敵な夢を持っている。
60代前半の男がこれだけチャーミングに見えたことはありません。自分がこの年になった時にかくありたいと、観ていて本気でそう思いました。
フランス人って人間が好きなんですねぇ。どうしようもなく厳しい現実的な映画もつくるし、こういう洒落た映画も作る。どちらも人にぴったりピントを合わせてありのままに描き出そうとしている結果なのでしょうか、独特の魅力があります。アメリカ人のドラマチック好きとはやっぱり根本的に違うなぁとしみじみ感じました。イブ・モンタン最高の一本。
2008/05/11 09:05
frost
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