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マンデラの名もなき看守

Goodbye Bafana
2007/フランス=ドイツ=ベルギー=イタリア=南アフリカ/ギャガ・コミュニケーションズ
出演:ジョセフ・ファインズ デニス・ヘイスバート ダイアン・クルーガー 
監督:ビレ・アウグスト

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1968年アパルトヘイト政策下の南アフリカ共和国。
刑務所の下仕官ジェームズ・グレゴリーは、最悪のテロリストとされるマンデラの担当に抜擢される。マンデラの生まれ故郷の近くで育ったために彼らの言葉がわかるグレゴリーに秘密の文書や会話を監視し報告しろというのだ。任務に忠実なグレゴリーだったが、マンデラという人物に触れ、彼が自由のために払っている犠牲を知るにつれ、次第にマンデラに魅了され、彼が目指す平等な社会に憧れていく。
しかし、そんな想いが周囲に知られれば、自分の立場も妻子の安全さえも脅かされる。
家族、国、仕事、理想、良心・・・葛藤の中、それでも正しい歴史の一部でありたいと願ったある看守とマンデラの数十年間にも渡る魂の交流を描く感動作。

二人の男の知られざる真実を3人のキャストの情熱と、名匠の技で力強く描く

南アフリカ共和国で、黒人の自由と権利を獲得するために闘い続け、27年間もの投獄生活の後に、初の黒人大統領となり、ノーベル平和賞を受賞したネルソン・マンデラ。2008年で90歳を迎えるマンデラが、初めて自身の人生の映画化を許可した記念すべき作品が誕生した。
マンデラの気高い魂に導かれて、歪んだ社会で失くしてしまった美しい魂を取り戻していく白人看守グレゴリーを演じるのは、『恋におちたシェイクスピア』で高く評価されたジョセフ・ファインズ。
塀の中でも信念を貫き、知性と人間愛を失わなかった、現存する歴史上の大人物マンデラを演じるのは、大ヒットTVシリーズ「24 TWENTY FOUR」のデニス・ヘイスバート。
グレゴリーの妻、グロリアには、『ナショナル・トレジャー』シリーズのダイアン・クルーガー。夫がマンデラに心酔していくことに反発と不安を抱きながらも、夫への愛を貫く妻の揺れ動く心情を見事に演じた。
監督は、『ペレ』と『愛の風景』で、カンヌ国際映画祭パルムドールに2度輝いた、名匠ビレ・アウグスト。自由への長い助走を忍耐強く走り続けるマンデラの、政治家としてよりも人間としての魅力に迫ると共に、男と男の熱き友情を真正面から描き切り、骨太の感動作に仕上げた。