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LOOPER/ルーパー

Looper
2012/アメリカ/118分
出演:ブルース・ウィリス ジョセフ・ゴードン・レヴィット エミリー・ブラント ポール・ダノ ノア・セガン パイパー・ペラーボ ジェフ・ダニエルズ 
監督:ライアン・ジョンソン
脚本:ライアン・ジョンソン
撮影:スティーブ・イェドリン
美術:エド・バリュー
衣装:シャレン・デイビス
編集:ボブ・ダクセイ
音楽:ネイサン・ジョンソン
製作総指揮:ダグラス・E・ハンセン、ジュリー・ゴールドスタイン、ピーター・シュレッセル、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ダン・ミンツ

(データベース登録者:ソーヤ

偏差値:57.5 レビューを書く

アメリカ映画らしからぬユニークな面白さ! [75点] [参考:1]

タイムトラベルを扱ったSFものには、タイムパラドックスがつきもの。いかにそれを観客に悟られずに上手く話を運べるかが、映画の成功につながる。
その点で、本作のディテールはけっこうテキトーだ。話の中で自ら“オキテ破り”をしでかすし。しかもそれを編集や脚本で押し切れてない。その意味では『バタフライ・エフェクト』や『ターミネーター』といった過去の秀作に並ぶべくもない。
しかし・・・そんな弱点を抱えつつ、ブルース・ウィリス演ずる「30年後の自分」が登場したあたりから、作品は別の方向へと疾走しだす。このストーリー展開が“ハリウッド的”でなく、意外性に満ちており、とてもユニークだ。
実は、ここで連想したのが、パク・チャヌク監督の『オールド・ボーイ』やジョニー・トー作品『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』といった、ドロドロと愛憎渦巻くエキサイティングな人間ドラマだった。そう、本作はまさに、この手の韓国/香港映画を彷彿とさせてくれるのだ。
そう思ってみると、色んなことが腑に落ちる。例えば、ジョセフ・ゴードン=レヴィットとブルース・ウィリスが似ても似つかないこと。主人公や追跡者たちがときに愚かな行動に突っ走ること。主人公が単身、悪の巣窟に殴り込んで銃を乱射する描写の凄まじいこと・・・。そして、あの、ラストの「選択」も。
この“ハリウッドらしからぬ魅力”によって、本作はいわゆる「トンデモSF」から免れ、無比のエンターテインメントとして成立しているのだ。
惜しむらくは、ラストに至る前の伏線として「もうひと押し!」が無かったこと。例えば、マンガ『童夢』のようにマンションの一つもど真ん中から引き裂かれる、といった「見せ場」があったらと思う。
なお、余談だが、主人公が30年間にレヴィットからブルース・ウィリスへと移行していく様を一気に見せるシークエンスがあり、思わず吹き出してしまった。だって歳を重ねるにつれて生えぎわがグングン後退していくんだもの!

2013/01/20 22:00 (2013/01/21 22:24修正)

ソーヤ

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