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The Artist
2011/フランス/100分
出演:ジャン・デュジャルダン ベレニス・ベジョ 
監督:ミシェル・アザナヴィシウス
ルドヴィック・ブールス、ギョーム・シフマン

(データベース登録者:apple

偏差値:65.0 レビューを書く

サイレントからトーキーへ [90点]

このレビューはネタバレを含みます

 最近はCGであったり3D映画であったりと真新しい技術を全面に押し出した映画が流行りである。確かに昔だと表現できなかったであろう映像の数々はじつに面白くていいものだ。
 そんな中、古いものもいいではないかということでモノクロでサイレントっぽい映画がフランスから出てきました。映画「アーティスト」はサイレントからトーキーへ移り変わる時代のスターを題材にした映画です。

 本作はモノクロで基本はBGMだけ。この作品で序盤に主人公のジョージ・ヴァレンティンが映画の撮影でしゃべらない!絶対にしゃべるものか!と拷問にかけられているところはなんともいえない味があります。

 サイレントからトーキーへ。サイレント時代のスターであったジョージはあんなもの流行るものか!僕はアーティストだ!とサイレント映画を自分で制作することになるわけですが、その公開日というのがあの「暗黒の月曜日」の翌日なんですよね。世界恐慌まっただ中。
 その影響とトーキーの真新しさから不幸のどん底に落とされるジョージの姿からはなんともいえない気持ちにさせられます。

 悲しいことですがジョージ自身も時代が変わったのはわかっているような節がところどころ描かれているんですが、スターの誇りからかサイレント映画スターが声を発することに抵抗があったからかトーキー映画に出演することはしようとしなかったんですよね。

 本作ではヒッチコックなどのオマージュなども含まれているのでそのあたり気づく人はそれも楽しめるかも。
 
 本作に登場する犬の演技が実に素晴らしい!
 トーキー映画に移り変わった時に俳優の声だけではなくて足音やら雑音が聞こえるのが本当にすごいですよね。
 最後は希望がみえる明るい終わり方で実によい映画でした。

2012/04/15 14:48

apple

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