ちょっと違う切り口の映画ニュースをお届けするウェブマガジン


TIME/タイム

In Time
2011/アメリカ/109分
出演:ジャスティン・ティンバーレイク アマンダ・サイフリッド キリアン・マーフィ ヴィンセント・カーシーザー オリビア・ワイルド アレックス・ペティファー ジョニー・ガレッキ マット・ボマー 
監督:アンドリュー・ニコル
脚本:アンドリュー・ニコル
製作総指揮:アーノン・ミルチャン、アンドリュー・Z・デイヴィス、クリステル・ライビン、エイミー・イズラエル
製作:エリック・ニューマン、マーク・エイブラハム
撮影:ロジャー・ディーキンス
美術:アレックス・マクドウェル
音楽:クレイグ・アームストロング
編集:ザック・ステインバーグ
衣裳デザイン:コリーン・エイトウッド

偏差値:56.4 レビューを書く

ガタカになりそこねたかな [80点] [参考:1]

人口抑制のため遺伝子操作で人間の寿命が25才で尽きるようになった近未来。
25才を過ぎた人間は働いた報酬を通貨ではなく時間でもらい一日一日を生き長らえているのに、富裕層は有り余る時間を所有し永遠に25才のままで日々を謳歌しています。

そしてある出来事により思いもよらない時間を手に入れた主人公は、警察に追われ、悪党からは時間を狙われながらも、時間を管理している者の正体に迫って行きます。

近未来、遺伝子、警察の追跡、夜の海などの雰囲気が『ガタカ』に似ているなと思ったら同じ監督だったんですね。

映画の前半で描かれる世界に流通しているのは通貨ではなく時間で、新しい時間を手に入れることができなければ25歳を過ぎた人間は時間が尽きた瞬間に死に至る発想が新しい感覚です。

いや実際の人間も寿命が尽きると死んでしまうので新しい感覚というのは正確ではないかもしれませんが、残された時間が腕に浮かび上がる緑色に光るカウンターで秒単位で刻まれて次第に0に近づいていくのにはゾッとしました。

また主人公が貧民のエリアから富裕層のエリアに入り込み、時間を支配する者の核心に迫って行く過程もサスペンス性が目をひきます。

時間がどうして通貨の変わりに流通し、与えたり奪ったりできるのかについての説明は全くありませんが、そこは深く考えないでそういった世界なのだと割り切った方が楽しめますね。

ただ前半の世界観やサスペンス性に比べると後半は時間を奪い合うアクション映画風になってるのは好き嫌いが分かれるところでしょうか。

この時間を奪ったり奪われたりする場面は最初はハラハラするのですが同じことが何度も繰り返されると逆にコントっぽい感じがして笑えてきました。

後半がもう少し違った展開になれば『ガタカ』のような余韻のある名作になったのではないかと思いますが、監督は敢えて二番煎じにならないような作品にしたのかも知れませんね。

評価は様々ですが、SF映画が好きな人なら観て損はない作品だと思います。

2012/04/09 15:02

kira

参考になりましたか?

トラックバックはこちらのアドレスから受付しています。トラックバックについて