恐怖の報酬
Le Salaire De La Peur
1953/フランス/149分
出演:イヴ・モンタン シャルル・ヴァネル
監督:アンリ・ジョルジュ・クルーゾー
(データベース登録者:chanandolar)
偏差値:62.2 レビューを書く
危険物運搬映画 [98点] [参考:3]
14・5年ぶりに鑑賞しました。やっぱり名作は名作ですね。最初のゴキブリのワンカットからしてその映像の空気感にぐいぐい引き込まれました。
僕がこれを見たのは僕が高校生のときでしたが、そのときは最初の1時間がやたらと長く感じたものでした。こうして2回目を見てみると、最初の1時間で世界観と人物描写がかなり綿密に描かれていることに気づいて、2回目はむしろ後半の方よりも前半の方が面白く感じたくらい。1回目は気づかなかったけど、あらゆる人種の人間が登場し、フランス語やら英語やらあらゆる国の言葉で会話してるんですよね。
イブ・モンタンというシャンソンスターを使ったところとか、危険物運搬をモチーフにしたところとか、当時かなり斬新でショッキングだったに違いありません。
トラックが2台、1台2人パートナーを組んでいることから、それが起因となって4人の間でさまざまな愛憎ドラマが繰り広げられます。後半はとても人間の本性みたいなものがえぐられていると思いました。僕自身はハリウッドの『黄金』を思い出しました。この人間模様はフランス人の感覚による『黄金』とも言えます。
モノクロならではの緊張感というものもあると思います。石油だまりのシーンでの白と黒のコントラストといったら素晴らしいの一語です。
サスペンス映画とかパニック映画とか、そんな肩書きが安っぽくなってしまう、真のヒューマンドラマと思いますね。ラストの後味の悪さといったらひどいものですが、とてもスタイリッシュ。これは問題作ですよ。
2009/05/21 05:26
シネマガ管理人
長い... [83点]
※ネタバレを含むレビューです。
とある油田で大火災が発生。鎮火のためにニトログリセリンを使うことになった。大量のニトロをトラックに積んで現場まで運ばなければならないが、そんな危険な任務は誰もやりたがらない。そこで職にあぶれた四人の荒くれ者を、莫大な報酬でトラック運転手として雇うことになった。
トラックが出発してからは、次から次へと困難が待ち受けていて、いつ何時ニトロが爆発するかわからず常に心臓はバクバク、最後の最後まで一瞬たりとも気が抜けなかった。
特に、道をふさいでいる岩を爆破するためにニトログリセリンを扱う場面では、見ているこっちも思わず息を殺して身構えてしまった。
が、いかんせんトラックが出発するまでの人物紹介のシーンが長すぎる。確かにクルーゾーは綿密な人物描写をすることで有名な監督であり、実際にそれによって作品の面白さが引き出されるというのは確かだと思う。でもさすがに人物紹介に1時間以上も割いているのは、あまりにも長く感じた。
もう少しだけ前半部分がコンパクトにまとめられていたら、もっと評価を高くしたんだけどなあ。
2008/05/01 15:05
chanandolar
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