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いのちの子ども

2010/アメリカ・イスラエル/スターサンズ/90分

監督・撮影・出演・ナレーション:シュロミ―・エルダール

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今、命の価値を問う、世界を揺るがせた真実の物語
「命の価値とは?」「母親の愛とは?」「人間の良心とは?」。本作はいま現在も続くイスラエルとパレスチナの紛争を背景に、その対立の中で翻弄される、ひとつの小さな命をめぐる物語を紡いでゆく。そして誰もが持つであろう人としての根源的な問いをあぶり出し、観る者に投げかけ、そして深い感動を呼びおこす。
2010年のイスラエル・アカデミー賞で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞し、トロントをはじめ多くの国際映画祭に正式出品され海外のプレスからも絶賛を多数集めた感動作が、この夏いよいよ日本で公開される。
今「生きること」と「本当に大切なことは何か」について考えているすべての人に観て欲しい、心揺さぶる真実の物語を描いた傑作だ。

パレスチナのちいさな命を守るため、
民族も宗教も乗り越えイスラエル人医師とジャーナリストが立ち上がった。
紛争の絶えないイスラエルとパレスチナ。余命を宣告されたアラブ人の赤ん坊が、封鎖されたパレスチナ自治区ガザ地区からイスラエルの病院に運びこまれた。イスラエル人医師ソメフはガザ地区の最前線で20年以上取材を続けるイスラエル人テレビ・ジャーナリスト、エルダールとともに、民族や宗教の対立を越えて立ち上がる。その想いはただひとつ、「このちいさな命を救いたい」。しかし行く手には様々な困難と、パレスチナ人のアイデンティティーと母親としての想いの間に揺れ動くラーイダの苦悩があった…。

劇映画以上にスリリングでドラマチック
監督はパレスチナの現状をイスラエルに伝える取材を、ガザ地区の最前線で続けているイスラエル人テレビ・ジャーナリスト、シュロミー・エルダール。初監督作品ながら長年の取材によって培われた経験を活かした紛争下の爆撃シーンは、劇映画では感じる事の出来ないリアリティを持って生々しく迫ってくる。また登場人物の内面に寄り添う場面では、その詩的な映像が観る者の心を魅きつけて離さない。そして次々と立ちはだかる壁を登場人物たちがひとつひとつ乗り越えてゆくスリリングな展開は、劇映画以上にドラマチックだ。

「人間にも天使がいる」
本作で描かれるアブル=アイシュ医師(パレスチナ人でありながらイスラエルで産科医として活動し、2009年のノーベル平和賞にノミネートされている)が生放送で訴えた悲劇は、世界中で報道されて大きな反響を呼び(※YouTube:「shlomi eldar」か「abu al-aish」で検索可能)、イスラエル国民にパレスチナの惨状を伝える大きな役割を果たした。またアブル=アイシュとラーイダが対面する場面や、監督が「人間にも天使がいる」と賛辞を贈るソメフ医師の言葉の数々は、多くの人に強い印象を残すだろう。そして彼らが起こした小さな奇跡は、未来を照らすひとすじの希望の光となり、それはやがて大きな平和へとつながる可能性を秘めている。

ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー


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