ちょっと違う切り口の映画ニュースをお届けするウェブマガジン


鬼神伝

2010/日本/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/98分
出演:小野賢章 石原さとみ 中村獅童 近藤隆 森久保祥太郎 伊藤健太郎 加瀬康之 小森創介 咲野俊介 東條加那子 相ヶ瀬龍史 野島昭生 塚田正昭 
監督:川崎博嗣
原作:高田崇史
http://onigamiden.jp

偏差値:--.- レビューを書く 読者レビュー(0) 予告を見る

1200年前の平安時代を舞台にした〈鬼〉VS〈人〉の戦いの鍵を握る少年の、勇気と決意の物語。

1200年前の京都がよみがえる!劇場用アニメーションとしては初めて平安時代にスポットをあて何年もリサーチを重ねて、我々が絵本や書物でしか知り得なかった〈平安時代〉に命を吹き込んだ!その時代は戦いや争いがない平和な時代だったと言われているが、本作では〈鬼〉と〈人〉との壮絶な戦いを通して“鬼退治”に隠された〈歴史の裏側〉を描き出している。一寸法師や桃太郎などの絵本の世界でも、昔から〈鬼〉は人間に被害をもたらす“悪者”として描かれてきた。原作者・高田崇史が投げかけたテーマは、人はなぜ鬼を退治するのか?鬼とはいったい何者なのか?ということ。もしも鬼が虐げられた〈人〉であり、支配者が彼らを封印するために作り上げた呼び名だったとしたら-。
本作の主人公は平凡な毎日を送る現代っ子の中学生、天童純。ある日突然、彼が過去に連れて行かれ〈鬼〉を退治できる唯一の存在=救いの御子だと告げられるところから物語が始まる。自分のルーツを知って驚き戸惑うが、偶然傷ついた鬼の少女〈水葉〉を助け、鬼の一族に出会ったことから運命が変わる。「鬼は本当に悪者なのか?」
その疑問を胸にしたまま〈鬼〉対〈人〉の大決戦の日を迎える。自分は何を信じ、何を守るべきなのか?鬼と人との間で揺れる純。それは自身と近い年齢の2人-〈鬼〉の少女・水葉と〈、人〉側である若き武将・頼光-の存在があるがゆえに際立つリアリティ。時に心通い、衝突し合う3人の想いの結末にも注目したい。

3Hスタイルで追求!
「NARUTO‒ナルト‒」のスタッフが描く、壮大な歴史冒険アニメーション!
“命を吹き込む”原点がここにある
構想から7年にも及ぶ劇場用アニメーション超大作『鬼神伝』。本作は「NARUTO‒ナルト‒」シリーズを世界的にヒットさせているスタジオぴえろと、スピード感あふれるアクションで定評のある監督・川﨑博嗣が手懸けた巧みな画面構成で描くシネスコ作品。その魅力は「ハイクオリティ「」ハイアビリティ「」ハイパーアクション」という3つのこだわり(3H)にある。クオリティの高さにおいては、先述した画面構成は勿論、一枚一枚すべて手描きという平安京を始めとした美術のディティールからもうかがえる。また、昨今の劇場作品に名を連ねるアニメーターが揃い踏み。手描きならではのキャラクターたちが魅せる芝居や、スピーディー且つ大迫力のアクションバトルなど、総作画枚数は20万枚!手描きアニメの極限を思わせる『鬼神伝』は是非大スクリーンで堪能して欲しい。そして、古都・京都にふさわしく“和”の荘厳な音楽を担当したのは宇崎竜童。主題歌を歌うのは若手実力派シンガーの福原美穂。運命に翻弄されながらも、前を向いて成長していく主人公の姿を、圧倒的な歌唱力で歌いあげる。さらに物語の鍵となる“オロチ”のコンセプトデザインに大友克洋が参加しているのも見逃せない。声優は〈天童純〉役に小野賢章。平安の都で“鬼”と呼ばれる民の少女〈水葉〉役に石原さとみ。そして〈鬼〉と戦いを繰り広げる貴族の僧侶〈源雲〉役に中村獅童が特別出演として参加。小野賢章はハリー・ポッターシリーズで第一作目からすべてハリーの役を吹き替えで演じており、等身大の中学生の爽やかな声はおなじみである。石原さとみは、なんといってもあのスティーブン・スピルバーグ製作総指揮のハリウッドアニメ『モンスター・ハウス』で吹き替えに初挑戦し、その実力がハリウッドでも認められた。中村獅童も『あらしのよるに』『、DEATHNOTE』などに声優としては何度も参加し、歌舞伎俳優として鍛えた演技力と声量を見せつけている。また、絵画のように美しく力強い風景、海神・山神・木神・火神・土神などの自然の神々を始め、土グモや烏天狗、もちろん鬼などの独創的なキャラクターも楽しみの一つ。
〈鬼〉対〈人〉の戦いが見どころの本作で、声優3人の鬼気迫る演技対決と主人公・純の成長、勇気と決意の物語に心が熱くなるに違いない。


STORY

現代から1200年前の<平安時代>にタイムスリップした15歳の少年、天童 純。
<鬼>と<人>が戦う世界で、彼は救世主になるのか、それとも――。
中学校に通う純は、父親を7年前に事故で亡くし、母と二人暮らし。ある日、学校帰りに謎の魔物に追いかけられ、迷い込んだ古寺で僧侶の源雲に助けられるが、そのまま時空を超え過去に連れて行かれてしまう。
目覚めたところは平安の都。純はそこで<鬼>と呼ばれる者たちの話を貴族から聞く。<鬼>たちは様々な妖術を使い自然を操り、人々の生活を脅かしているというのだ。そして純こそが、幻のオロチを目覚めさせ、この戦いを止めることができる“救いの御子”なのだと。
自分のルーツを知って驚き戸惑う純の前に、<鬼>の一族である少女・水葉が現れ、衝撃の真実を語る。<鬼>とは、自然との共存を願う人間であり、決して悪者ではないのだ…と。どちらが正しいのか? 自分は何を守るべきのか?葛藤の中、<鬼>対<人>の大決戦の日を迎える!

4月29日(金)、新宿ピカデリーほかGW全国ロードショー