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レイチェル・カーソンの感性の森

2008/アメリカ/アップリンク/55分
出演:カイウラニ・リー 
監督:クリストファー・マンガー
プロデューサー:カレン・モンゴメリー、カイウラニ・リー
撮影:ハスケル・ウェクスラー
編集:タマラ・M・マロニー
脚本:カイウラニ・リー
http://www.uplink.co.jp/kansei/

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「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないのです。
―― レイチェル・カーソン
著書『沈黙の春』の中で、世界で初めて化学物質の危険性を告発した女性、レイチェル・カーソン。
ベストセラー作家としてのキャリアを重ねる一方で、一部のメディアや化学産業からの批判にさらされ、苦難の日々を送っていた。晩年は癌を患いながらも執筆活動を続け、若くして他界した姪の息子であるロジャーに愛情を注いだ。
遺作となった『センス・オブ・ワンダー』はロジャーに捧げられており、自然の美しさや神秘さに目を見張る感性を、いつまでも失わないでほしいという願いが込められている。
本作で主演を務める女優のカイウラニ・リーは、このメッセージを伝えるため一人芝居『センス・オブ・ワンダー』の脚本を執筆し、18 年もの間カーソンの最後の1 年を演じてきた。
本作ではカーソンが穏やかに余生を送ったメイン州の海岸にあるコテージに舞台を移し、豊かな自然の中でロジャーと過ごした日々を美しく再現する。

レイチェル・カーソン(1907~1964)
アメリカ、ペンシルバニア州生まれ。環境保護のパイオニアとして知られる。アメリカ漁業局勤務時に行った海洋調査の内容を詩情豊かな文章にまとめた『潮風の下で』(1941 年)、『われらをめぐる海』(1951 年)、『海辺』(1955 年)はいずれもベストセラーとなった。1952 年、執筆に集中するため漁業局を離れる。1962 年には代表作とも言われる『沈黙の春』を上梓。1964 年、癌により逝去。没後、友人たちの手によって出版された『センス・オブ・ワンダー』は版を重ね、世界中で世代を越えて愛読されている。カーソンと彼女の著作を称賛するアル・ゴア氏は、「『沈黙の春』がなかったら、ひょっとすると環境運動は始まることがなかったかもしれない」と述べている。

カイウラニ・リー
1950 年、バージニア州生まれ。オフ・ブロードウェイ、映画、テレビで35 年以上のキャリアを持つ女優。オフ・ブロードウェイの優れた舞台俳優に与えられる、オビー賞受賞経験もある。本作の原案であり、リーのライフワークともいえる一人芝居『センス・オブ・ワンダー(原題:A Sense of Wonder)』は、世界各国で上演を続けており、日本では2005 年の愛知万博にて披露された。


2011年2月26日(土)渋谷アップリンクほか全国順次公開